住友不動産の標準仕様はどこまでか|オプションを足さずに建てた実例

私が55歳で築60年の実家を建て替えた記録から、「標準仕様の範囲」の話をまとめる。

住友不動産で建てた当家は、契約後にオプションをほとんど追加していない。5社の見積を並べたとき、各社が標準に何を含めているかは大きく違っていた。総額の比較だけでは見えない部分であり、確認しておくべき観点だと思う。

住友不動産の場合、契約後に追加したのは2階のエアコンとトイレの折戸だけだった。断熱も窓も換気も、上位のオプションを採らずに引き渡しを受けている。

この記事の要点

  • 当家がオプションで追加したのは、2階のエアコンとトイレの折戸のみ
  • 網戸は全窓標準。シャッターは2階の引き違い窓まで標準
  • 断熱・窓・換気・外壁・屋根には、いずれも上位のオプションが用意されている
  • 標準仕様の範囲は、契約時期・支店・商品タイプ・防火地域かどうかで変わる

前提——標準仕様は一律ではない

住友不動産の標準仕様は、契約時期・地域の支店・商品タイプ・防火地域か否かで変わる。以下は2023年に契約し2024年に引き渡しを受けた、東京都内の狭小地に建てた当家の場合である。

同じ会社でも、条件が違えば内容は変わる。

構造・性能の標準とオプション

工法

  • 標準:2×4工法(枠組壁工法)

耐震

  • 標準:耐震等級3

基礎

  • 標準:ベタ基礎(鉄筋コンクリート造)
基礎工事完了。立上り部分からアンカーボルトが伸び、これから建て方工事で土台が固定される
完成したベタ基礎。立上りからアンカーボルトが伸びている

断熱

  • 標準:高性能グラスウール。天井210mm・壁89mm・床80mm
  • オプション:W断熱工法(外断熱+内断熱)。外側にフェノールフォームを追加
2×4の枠組みに充填された高性能グラスウール(マグ・イゾベール)
標準仕様の高性能グラスウール。2×4の柱の間に隙間なく充填されていく

  • 標準:YKK AP APW330 樹脂サッシ。ガラスはアルゴンガス入りLow-E複層
  • オプション:トリプルガラス
YKKap APW330 樹脂サッシの実物(当家の窓)
当家の窓。YKK AP の樹脂サッシで、ガラスには網が入っている

換気

  • 標準:ダイケンの第三種換気システム
  • オプション:第一種換気・全館空調
自然給気口のプッシュ式レジスター(閉じた状態)
第三種換気の自然給気口。ダイケン製で、フィルターの手入れ方法が本体に書かれている

当家はいずれもオプションを採らなかった。断熱と耐震について、なぜその判断をしたかは断熱の記事耐震の記事に書いた。

外装の標準とオプション

外壁

  • 標準:窯業系サイディング16〜18mm(ケイミュー 光セラ)
  • オプション:吹付・タイル
2年経過した外壁と、基礎・土間コンクリートの汚れの対比
引き渡しから2年後の外壁。コンクリート調と黒いレンガ調の組み合わせ。右下の小さな箱は屋外の防水コンセント

屋根

  • 標準:スレート(ケイミュー コロニアル遮熱グラッサ)
  • オプション:ガルバリウム・瓦

バルコニー

  • 標準:外壁サイディング仕様+金属床防水(永住産業 スカイプロムナード・ハイグレード)
  • オプション:手摺

玄関ドア

  • 標準:YKK AP イノベストD50
YKKap イノベストD50 玄関ドアの実物(当家)
玄関ドアはYKK APのイノベストD50。引き渡し前で、まだ子機が付いていない

玄関ポーチ

  • 標準:新井窯業 タイル300角「フィウミⅡ」
完成した玄関まわり。3段のポーチタイルと玄関ドア
玄関ポーチのタイルは新井窯業の「フィウミⅡ」。当初2段の予定が3段になった

テラス

  • 標準:土間コンクリート

外壁材の質感がどう作られているかは別の記事に書いた。標準の範囲でも、選べる柄と色は多く、通常ならとても高価で高品質な商品ラインナップだ。

内装の標準

床材

  • 三京化成 フローリング「J-STYLES」シリーズ

クロス

  • サンゲツ「SFH」シリーズ
ICボード中面:部屋ごとに床・壁・天井のサンプル実物と品番が貼られたページ
インテリアコーディネーターのカラースキーム表。床・壁・天井の実物サンプルと品番が並ぶ

室内ドア

  • 標準:三京化成「SF-Neo」シリーズ。2000mm建具
  • オプション:折戸(パナソニック VERITIS)

室内ドアについて一点補足する。住友不動産ではハイドア(2400mm建具)を標準とする支店が多いという情報をネットで見かけるが、当家には2000mmの標準的なサイズが提案された。狭小住宅であることも関係しているかもしれない。

当家がオプションを採ったのは、トイレの折戸だけである。見積もり上の設計ではトイレがオープンだったため扉を追加した。住友不動産の標準仕様の扉なら安価で追加できたのだが、洋室の扉と干渉するため折戸にした。パナソニックに個別発注となるためこの分は割高になった。

各部位で何を選んだかは建材リストに品番つきでまとめている。

水回り設備

すべてパナソニックで揃っている。他にも標準で選べるオプションはあったのかもしれないが、見積もりの仕様がパナソニックだったこと、私自身パナソニックの製品を多く愛用していたので迷わなかった。

  • キッチン:MXシステムキッチン
  • 浴室:UWⅡシリーズ
  • 洗面台:MXシリーズ
  • トイレ:アラウーノ(タンクレス)が1階標準
  • 給湯器:ノーリツ エコジョーズ
パナソニックAW「MXシステムキッチン」 グレード10
キッチン。扉はクリアーウッド、パネルはモザイクベージュ
パナソニックAW「UWⅡシリーズ」 E0タイプ
浴室。アクセントパネルと物干しバー、換気乾燥機のリモコン
パナソニックAW「MXシリーズ」 W600
洗面台。三面鏡の内側が収納になっている
パナソニック「アラウーノ」 Z160
1階のトイレはタンクレスのアラウーノ。階段下の空間に収まっている
ノーリツ「エコジョーズ」GT-C2472AW-BL
給湯器はノーリツのエコジョーズ。配管にもカバーが付いている

リーズナブルな価格帯の標準仕様でここまでの構成が揃う背景には、住友不動産がマンション事業で培った調達力があると営業担当から説明を受けた。契約前の比較でも印象に残った点だった。

意外と標準に含まれていたもの

網戸——全窓標準

一建設とタマホームでは網戸がオプションだった。住友不動産は標準の窓がYKK APなので、すべての窓にYKK AP純正の網戸が入る。

ネットで調べた範囲では、大手ハウスメーカーでは引き違い窓への網戸標準装着が一般的のようだ。それ以外の窓が標準かどうかは、各社・各支店で分かれる。

シャッター——2階の引き違い窓まで標準

一建設とタマホームは1階の引き違い窓のみ標準だった。

業界の慣行では、1階の掃き出し窓に手動シャッターが標準で、2階と電動化はオプションというパターンが多数派とされる。住友不動産は2階の引き違い窓にも手動シャッターが標準で入る。

完成した外壁(淡い灰色のベースと黒のアクセント)
閉じた状態の窓シャッター。外壁は淡い灰色のベースに黒のアクセント

その他、標準で付いていたもの

  • 小屋裏収納・室内はしご
  • 可動オープン棚(各居室・玄関収納)
  • 階段手摺・階段下収納庫・床下収納庫
  • 物干し金具(ナスタ アーム式)
  • 住宅火災警報器(パナソニック 煙感知器。親機+各居室に子機)
  • 屋外EVコンセント(200V)・屋外防水コンセント・立水栓
  • インターフォン(パナソニック VL-SVD505KF。スマートフォン対応・玄関ドア施錠連動)
  • エアコン室外配管の化粧カバー。色を外壁に合わせて選べる
シューズクロークの可動式棚6段(入居前)
玄関収納の可動棚。支柱のダボレールで高さを変えられる
パナソニック「外でもドアホン」 VL-SVD505KF
VL-SVD505KFの玄関子機。カメラ付きで、外出先からスマートフォンで応対できる

エアコンは通常、各居室に標準設備として入る。当家は価格を抑えたいと事前に伝えていたため、2階のみオプションとして提案された。実際には省エネ性能を重視して、2階も住友不動産に発注した。

2階の部屋。壁付けエアコンとダウンライト・スポットライト
2階の部屋。エアコンと、当初の見積に含まれていたダウンライト・スポットライト

照明・カーテンレール

住友不動産シスコン(グループのインテリア会社)への発注で、当初の見積に含まれていた。

  • 室内照明(シーリングライト・ダウンライト・スポットライト)。照明はこれで十分で、追加で発注する必要はなかった
  • 廊下保安灯・玄関ポーチライト・外壁ライト(センサー付き)
  • カーテンレール(トーソー「ネスティW」)
カーテンレールに取り付けたフック部分
カーテンレールはダブル。レースとメインを掛けられる

一建設では室内照明・エアコン・カーテンレールがいずれもオプションだった。

カーテンとロールスクリーン本体は、当初の見積外である。

外構

外構業者への発注も住友不動産経由で、当初の見積に含まれていた。機能門柱と補助手摺はYKK APのルシアスシリーズ。詳細の設計は工事の後半で打ち合わせた。

YKKap機能門柱B01型(表札は伏せ処理)
機能門柱はYKK APのルシアスシリーズ。ポストとインターフォン子機が一体になっている

価格と品質のバランス

標準仕様がここまで含まれている理由を、住んでみた実感から書く。

住友不動産は分譲マンションや不動産仲介を展開する総合デベロッパーで、注文住宅はその住宅部門にあたる。ビルやタワーマンションのノウハウが戸建てに転用されている。

住宅設備の標準仕様が同価格帯の他社より高いという評価をネットで見かけるが、マンション事業の大量調達力が背景にあるという説明は、実物を見た印象とも合っている。

価格帯としては、積水ハウスや住友林業より一段下に位置づけられる。同等のデザインや設備感を狙いながら価格を抑えたい層に向いている、という理解でいる。

値引きについて

ハウスメーカーには、値引き交渉に応じる会社と応じない会社がある。住友不動産は応じる側とされている。

当家では直接的な値引き交渉はしていない。ただし打ち合わせの中で追加コストが発生したとき(室内ドアや照明の追加など)、総額は上げられないがぜひ追加したいという項目の一部を、サービスで対応してもらったことがある。

交渉の余地があるかどうかは、比較の観点として知っておいてよい。

施工体制

標準仕様の話から少し外れるが、価格対品質を考えるうえで無視できない要素なので書いておく。

大手ハウスメーカーには、地元の工務店に下請けに出す方式が多い。この場合、元請けと下請け双方で管理コストがかかり割高になる、下請けの対応や精度に差が出る、という評判が継続的にある。

住友不動産は「専属大工」「責任施工」を訴求しており、地域の工務店に一棟丸ごと発注する方式ではない。施工センターが専属契約の大工と直接やり取りし、工事管理も自社の工事担当が行う。

私自身、施工中の点検がすべて自社で行われていたことを確認している。施工品質のばらつきや、工務店との間の中間マージンによるコストアップが抑えられていると感じている。

組み上がった1階躯体。構造用パーティクルボード「novopan STPⅡ」(9mm)にツーバイフォー木材を打ち付けて組み立てられている
組み上がった1階の躯体。2×4の枠組みに構造用パーティクルボードが打ち付けられている

これから比べる人へ

標準仕様について確認しておくとよいことを挙げる。

  • 網戸とシャッターはどこまで標準か。全窓か、引き違い窓のみか。2階はどうか
  • 照明・カーテンレール・エアコンは含まれるか。会社によって扱いが分かれる
  • 外構は見積に含まれるか。別途になる場合、後から大きな金額が乗る
  • 上位のオプションは何があるか。断熱・窓・換気には、たいてい上のグレードが用意されている
  • 標準仕様は支店や商品タイプで変わるか。同じ会社でも条件で違う

見積の総額をそのまま比べても意味がない。何が含まれているかを揃えてから比べる必要がある。5社の見積を並べたときの実際は第14章に書いた。

複数社の資料をまとめて集める方法は別の記事にある。

まとめ

  • 当家がオプションで追加したのは、2階のエアコンとトイレの折戸のみ
  • 網戸は全窓標準、シャッターは2階の引き違い窓まで標準。他社ではオプションだった
  • 照明・カーテンレール・外構が当初の見積に含まれていた
  • 断熱・窓・換気・外壁・屋根には上位のオプションがあるが、当家はいずれも採らなかった
  • 標準仕様は契約時期・支店・商品タイプ・防火地域かどうかで変わる

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