まくら

設計・契約

第22章 こだわりのポイント・空調と住宅設備

エアコンエアコンは自分で手配することもできる。営業担当者からそう聞いた上で、こう続けられた。「エアコンの性能は断熱性能と直結します。毎月の光熱費に影響しますので、住宅の性能に合ったものを選ぶことが重要です」。住友不動産がオプションとして提供するのは、富士通ゼネラル(現・ゼネラル)の「ノクリア」Zシリーズだ。個人が家電量販店で購入するものとは異なり、大手ハウスメーカー向けに供給される製品は国内製造で耐久性が高い。施工も富士通ゼネラルが自社で行うため仕上がりが丁寧で、室外配管には化粧カバーが標準装備される。カバーの色も外壁に合わせて選べる。電気屋による施工では2階の室外機をバルコニーに置いたり、配管処理が雑になることもあると聞いた。メーカー施工であれば、室外機や配管の位置を施主と細かく打ち合わせて決める。2階の室外機を正面から見えない場所に設置するといった配慮もしてくれる。断熱性能にとことんこだわりたい私は、迷わず住友不動産へのエアコン発注を決めた。当家の採用機種は以下のとおりだ。リビング:ノクリア Zシリーズ AS-Z28N-W(10畳用)各居室:ノクリア CHシリーズ AS-CH253...
設計・契約

第21章 こだわりのポイント・断熱性能

住友不動産の初回訪問で、断熱性能について詳しい説明を受けた。5社を比較する中でもこの点は重点的に確認した。近代建築の断熱性能は、築60年の家とは比べ物にならない。断熱性能の基準断熱性能を示す指標はUA値(外皮平均熱貫流率)だ。数値が小さいほど断熱性能が高い。住友不動産のツーバイフォー工法のUA値は0.46で、国の省エネ基準(平成28年基準)の0.87を大きく上回る。ZEH基準の0.60も上回っている。断熱性能が高ければ、冷暖房コストも抑えられる。住友不動産によれば、国の省エネ基準と比較して年間の冷暖房費を約21%削減できるという。また断熱性能だけでなく、遮熱への対応も重要だ。地球温暖化による猛暑日の増加を踏まえ、住友不動産では透湿・防水・遮熱シートを標準採用している。熱カット率98.8%という高い遮熱性能を持つセーレン社の「ラミテクト プレミアムサーモ」で、夏の暑さを壁の外側で遮断する仕組みだ。開口部の断熱断熱性能を語る上で見落とせないのが開口部だ。窓と玄関ドアは外気が直接出入りする場所であり、断熱上の弱点になりやすい。窓サッシ:YKKap APW330樹脂フレームとLow-E複層ガラ...
設計・契約

第20章 ショールーム見学

IC担当から、時間があれば実物を見に行くことを勧められた。カタログや小さなサンプルではイメージが掴みにくいものがある。実際に足を運んでみると、その言葉の意味がよくわかった。見学したのは2か所。パナソニックの新橋ショールーム、YKKapの新宿ショールームだ(YKKapには3回通うことになった)。パナソニック新橋ショールームパナソニックのショールームには、ケイミューのサイディングコーナーがある。当家に導入予定のバス・トイレ・キッチンもパナソニック製なので、あわせて見学できた。照明もパナソニックだが、ショールームでの照明展示は現在行っていないとのことで、それだけが残念だった。ケイミューのコーナーには大きなサンプルが並んでいる。カタログで見るのとは迫力が違う。ベースの外壁として第一候補にしていた光セラ「フィエルテ」は、大きなサンプルで見るとやはり良かった。フィエルテにはコンクリート調の中でも淡い灰色と深い灰色がある。ケイミューのカタログでは淡い方はアクセントに使われている事例が多い。これをベースに使っている家はほとんど見かけない。その分、他にはない静けさと品のある外観が生まれるはずだ。即決だっ...
設計・契約

第19章 インテリアコーディネーターとの打ち合わせ

間取りが固まると、今度は家の「色」を決めるフェーズに入る。ここからインテリアコーディネーター(IC)担当が加わった。住友不動産の関連会社、住友不動産シスコンの方で、営業担当と3人で新大久保の営業所で打ち合わせを行う。IC担当は二十代後半くらいの、落ち着いた雰囲気の女性だった。こちらの希望や疑問にすぐ応えてくれる。経験豊富で、押しつけがない。迷ったときには「私はこちらをお勧めします」とはっきり言ってくれる。打ち合わせの内容を手書きで丁寧に記録して、終了後にコピーをもらえた。字がとてもきれいで、毎回それに見とれてしまった。IC打ち合わせは3回、加えて照明・電気関係の打ち合わせが1回。並行して自分でショールームを何度も訪問した。ショールームの話は別章でまとめて書く。外壁・屋根・玄関・サッシハウスメーカー選定の段階で、住友不動産が初回に示してくれた完成予想図がある。水彩画で描かれたもので、その仕上がりイメージがとてもよかった。これをベースに検討を進めることにした。外壁と屋根はケイミューの高品質サイディングから標準仕様で選ぶことができる。30センチ四方の実物サンプルを手に取りながら候補を絞ってい...
設計・契約

第18章 間取り打ち合わせ~決定

契約締結から6日後、最初の図面打ち合わせが始まった。場所は新大久保の住友不動産営業所。仕事の帰り道に寄れる場所を選んだ。打ち合わせは全部で3回。最初の2回は1/100の縮尺図面、3回目は1/50のより詳細な図面が使われた。毎回、前回からの変更を反映した新しい図面が提出される。営業担当者からファイリング用のケースも渡された。図面が更新されるたびに穴の空くほど眺めた。自分でも三角錐の建築用定規を買って、図面上の寸法と実際の広さを想像しながら検討を重ねた。見るたびにワクワクした。ほぼそのまま採用した動線設計住友不動産の設計は、生活動線がよく考えられていた。間取りの基本はそのまま採用することにした。変更したのは主に扉の数だ。狭い家を少しでも広く感じられるように、クローゼットやシューズクローゼットの扉をなくした。扉をなくすほど減額になるという説明もあり、コスト面でも合理的だった。2階の書斎兼寝室では、階段の床上がりが部屋の奥に台状に張り出しており、その台から壁一面に扉をつけてクローゼットにする設計だった。扉をなくし、床上がりの部分をテレビ台として活用、奥のスペースを本棚とオープンクローゼットにす...
設計・契約

第17章 契約締結

← 第16章 契約前の打ち合わせ契約前の打ち合わせから3日後、営業担当者が自宅に来て契約を交わした。省エネ基準と補助金の話契約に先立って、東京都の省エネ基準についての説明があった。東京都では「東京ゼロエミ住宅」という独自の省エネ住宅認定制度があり、基準を満たすと最大240万円の助成金が受けられる。2024年10月に基準が引き上げられ、断熱性能(UA値)や省エネ設備、さらに太陽光発電設備の設置が原則必須となっている。ただし、当家は50平米未満のため、この認定を受けるには窓サッシや設備を必要以上に高額なものにする必要があり、現実的ではないという説明だった。少し残念に感じたが、補助金のために過剰な設備を入れる必要はないと考え、納得した。住宅ローン控除は受けられる一方で住宅ローン控除については、適用されると説明を受けた。住宅ローン控除は「誰でも受けられるもの」と思っていたが、実は条件がある。2024年以降に入居する新築住宅の場合、原則として省エネ基準適合住宅でなければ控除を受けられない。また床面積の要件は原則50平米以上だが、合計所得金額1,000万円以下であれば40平米以上50平米未満でも適...
設計・契約

第16章 契約前の打ち合わせ

← 第15章 私が住友不動産を選んだ理由住友不動産に決めた。次のステップは契約前の打ち合わせだった。初回訪問時に提示された図面と提案書をベースに、追加・変更・削除を一つずつ確認していく。営業担当者は何を聞いても即座に答えた。現場をよく知っている人間だと感じた。図面の修正初回提案の図面は、動線がよく考えられていた。間取りの基本は採用し、細かい調整は今後の打ち合わせで進めることにした。変更したのは2点だ。一つはバルコニー。家の横幅全体に広がる大きなバルコニーが提案されていたが、高級資材を使う分コストがかかる。窓のある幅に絞って縮小した。もう一つは玄関横の大きな窓。地面の高さまである縦長の窓が提案されていたが、必要以上に大きいと感じたので小さくした。斜線制限の説明営業担当者は事前に市役所へ出向き、当家の土地条件を調査していた。その中で斜線制限の説明があった。隣家との間隔に制限があるため、南側の庭スペースが北側より狭くなる。本当は南側を広げたかったが、これは受け入れるしかなかった。また容積率の制約から、2階の上に小屋裏収納スペースを設ける図面になっていた。ただし斜線制限の影響で屋根がかなりの急...
住宅会社比較

第15章 私が住友不動産を選んだ理由

タマホームと住友不動産。最終的な2択に絞られてから、私はしばらく考えた。タマホームへの迷いと不安タマホームの性能は、想像していたよりもずっと高かった。価格も住友不動産より数百万円安く、交渉次第ではさらに値引きの余地もありそうだった。条件だけ見れば、十分に選ぶ理由がある。ただ、見積提出後の営業担当の動きが気になり始めた。キャンペーン期間を強調しながら、何度も値引きをアピールしてくる。高品質な資材や設備をそこまで値引きして、仕入れ先への負担にならないのだろうか。「とにかく売りたい」という姿勢が前面に出てくると、その先の工事や対応への信頼感が揺らいでくる。価格の安さと引き換えに、何かが犠牲になっていないか——その不安が消えなかった。住友不動産が見せた姿勢住友不動産の対応は対照的だった。初回に提示した値引き額以上の根拠のない値引きはしない、という姿勢を貫いた。他社との価格差がつくことは承知の上で、「それ以上に満足できる家を建てる」という自信が伝わってきた。売るために数字を動かすのではなく、品質で納得してもらうという考え方だ。具体的な説明も印象に残っている。同じツーバイフォー工法でも、柱になる木...
見積・費用

第14章 見積を並べてわかったこと

初回訪問からおよそ10日ほどで、5社から見積が出揃った。数字を並べて最初に感じたのは、「坪単価だけでは判断できない」ということだった。坪単価の順番は予想通りだったが坪単価を安い順に並べると、一建設・タマホーム・東栄住宅・住友不動産・桧家住宅という順になった。ローコストメーカーが安く、上位メーカーが高い——大まかな傾向は訪問前の想定通りだった。一建設については、この時点で候補から外れていた。コストは最も安いが、工法・断熱性能・保証年数のいずれも自分が求める水準には届かなかった。価格相応の判断であり、一建設の問題というより優先順位との不一致だ。ただし見積書の合計額を比べると、順番が変わる。標準仕様に何が含まれているかによって、実質的な価格差が変わってくるからだ。例えばエアコンについては、タマホームと東栄住宅は複数台が標準で含まれているのに対し、住友不動産は1階に1台のみで2階はプラグのみの設置だった。外構工事や照明の扱いも各社で異なる。単純に見積の総額だけを比べても、含まれる内容が揃っていなければ正確な比較にならない。桧家住宅はこの時点で除外見積が出揃った段階で、桧家住宅は候補から外れた。...
住宅会社比較

第13章 5社を訪問してわかったこと

5社すべての初回訪問が終わった。見積はまだ出揃っていない段階だったが、この時点ですでにいくつかのことが見えてきていた。提案力に大きな差がある最初に気づいたのは、初回訪問時の準備状況の差だ。住友不動産と東栄住宅は、初回から間取り図・完成イメージ・概算見積が用意されていた。一方、一建設・タマホーム・桧家住宅はヒアリングからスタートし、見積は後日送付という流れだった。住友不動産の担当者自身が「初回からここまで用意するところはあまりない」と言っていたように、住友不動産の提案力は別格だった。訪問前に市役所へ出向いて当家土地の建築基準を調査し、登記簿まで入手して提案に臨んでいた。東栄住宅も初回から提案書を用意していたが、この事前調査の深さという点では差があった。ただしこれは営業スタイルの違いであり、品質の差ではない。耐震性能は各社ほぼ横並び耐震等級3はすべての会社が取得できると説明した。数値上の差はない。ただし工法に違いがある。一建設は在来工法(木造軸組工法)で、柱と梁で骨組みを作る一般的な工法だ。それ以外の4社はツーバイフォー工法で、床・壁・天井の「面」で建物を支えるモノコック構造。地震力を面で...