第26章 仮住まい先選定

建て替えの工事期間中、半年近くをどこで過ごすか——仮住まい探しの一部始終と、実際にかかった費用をここにまとめておく。

仮住まい物件専門の仲介会社に相談し、駅からの距離や家賃といった条件を絞り込んで、内見から入居までを進めた。かかった費用は敷金・礼金・紹介料などの初期費用と、退去時のハウスクリーニング代。加えて、住民票や郵便の転送といった住所変更の手続きも一通り経験した。

  • 仮住まいの探し方(仮住まい物件専門の仲介会社という選択肢)
  • 借りる条件をどう絞ったか
  • 初期費用と退去時費用の実額
  • 住民票・郵便など住所変更の手続き

解体業者の選定と並行して、仮住まい先の選定も動いていた。

半年近く、慣れない場所で暮らすことになる。どこに、どんな家を借りるか。ここで快適さが下がると、建て替え期間中ずっとストレスを抱えることになる。

とはいえ、選びすぎて決まらないのも困る。12月解体予定なので、11月中には入居している必要があった

仮住まいの探し方(日本テンポラリーハウス)

仮住まいは、住友不動産の紹介で「日本テンポラリーハウス」という会社に相談することにした。

ここは、首都圏の建て替えやリフォーム期間中の仮住まい物件専門の仲介会社だ。普通の賃貸仲介と違って、短期契約が前提

建て替えの工程に合わせて入居・退去日を調整してくれる。敷金礼金の扱いも、通常の賃貸より柔軟なことが多い。

9月25日、電話で相談を入れた。こちらの住所は住友不動産から連携されていて、担当者はすでに周辺エリアの物件情報を把握していた。

その日のうちに、候補物件の資料がメールで届いた。仕事が速い。

10月1日、渋谷のカフェで担当者と打ち合わせ。30代くらいと思われる女性の担当者で、経験豊富な積極的な応対だった。内見から申込み、入居までの流れを一通り説明してもらう。

良い物件は早く埋まるので、早めに申し込むのが得策、とのこと。

こちらの条件はシンプルにした。

  • 実家および最寄り駅から徒歩圏内
  • 家賃10万円前後
  • マンション
  • 築年数や内装の古さは気にしない(半年だけ過ごせればよい)

この条件で、3件まで候補を絞ってもらい、10月9日に内見を設定した。

10月9日、内見

当日は近所なので歩いて集合場所に向かい、担当者と合流。駅周辺のマンション3件を、担当者の車で順に回った。

どこも築30〜40年ほどのマンションだった。築年数だけ聞くと古く感じるが、実際に入ってみると想像していたよりずっと綺麗だった

清潔感があり、しっかりクリーニングされていて、すぐにでも住めそうな状態。仮住まい専門業者が扱っているだけあって、短期入居者がそのまま使える状態に整えられている。

3件のうち、自宅から最寄り駅への徒歩導線に近く、コンビニも近い1件を選んだ。

担当者から、「すぐに申し込んだほうがいい」と助言された。申込みから決定通知まで1〜2週間、その後2〜3週間以内に入居するのがベストなパターンだという。

そうすると11月初旬の入居になり、当初の想定より少し早い。ただ、他の人に申し込まれてしまっては困るので、すぐに決めることにした。

その場で入居申込書をもらい、翌日にメールで送付した。

このとき、担当者から「仮住まいガイドブック」という小冊子をもらった。仮住まい期間中に必要な手続き、引っ越しの段取り、トラブル対応などがまとめられている。これが地味に役立つ本で、退去まで手元に置いて何度も参照することになる。

日本テンポラリーハウスの仮住まいガイドブック
日本テンポラリーハウスからもらった「仮住まいガイドブック」

10月14日、入居決定

10月14日、YKKapのショウルームで玄関ドアの見学をしている最中に、日本テンポラリーハウスの担当者から電話があった。

「入居決定です」

契約開始日は11月5日。実際の入居は後日調整。

ひとつひとつのことが順調に決まっていくのは、素直に嬉しい。ここまでは、すべてが計画通りだった。このあと、思わぬ事態から着工スケジュールの変更を余儀なくされることになるのだが、まだ知る由もない。

ライフラインの手続き

10月16日、さっそく仮住まい先マンションの管理会社と提携するライフライン管理会社から電話があった。電気、ガス、水道、固定電話、通信回線の開通手続きの案内だ。

通信回線は、現在契約しているJCOMとの契約が継続できることが事前に調べて分かっていたので、JCOMにそのまま引き継ぐ。固定電話もJCOMでまとめた。

電気は、担当者から新電力の「オクトパスエナジー」を勧められた。現在の東京電力と品質は変わらず、基本料金も同じ。

変動料金部分だけが安くなる、という説明だった。話を聞く限りデメリットが見当たらないので、これに切り替えることにした。

ガスは東京ガス、水道は東京都水道局。

開通日は、引っ越しを11月末頃と想定して設定した(後に引っ越し準備が想定より手間取り、日程を変更することになる)。

契約手続き

10月28日、日本テンポラリーハウスの事務所(荻窪)に出向いて契約手続き。

  • 賃貸住宅入居者保険料の支払い(コンビニ決済)
  • 賃貸保証登録(オリコ)

仮住まいの場合、契約の仕組みが通常の賃貸と少し違う。物件の管理会社は別にあり(仮にK不動産とする)、本来の契約相手はこちらになる。

しかし契約手続きは、仮住まい期間中は日本テンポラリーハウスが代行してくれる。鍵の受け渡しだけはK不動産が直接行う仕組みで、契約上の入居日(11月5日)の数日前にK不動産を訪問して鍵を受領した。

これで仮住まい先の契約は完了。11月5日契約開始となった。

あとは実際に引っ越すだけ。荷造りと業者選定に取り掛かる。

初期費用と退去時費用

仮住まいでかかった費用は、次のとおりだった(家賃10万円前後の物件)。

  • 敷金:1か月分
  • 礼金:1か月分
  • 日本テンポラリーハウスへの紹介料:約1か月分
  • 家財保険:2年契約で約3万円(退去時に日割り返金)
  • 保証会社委託費用:初回0.5か月分、以降月額家賃の1%

家財保険は2年契約が標準だが、「半年ほどで解約予定あり」という条件で日本テンポラリーハウスが交渉してくれた

数か月だけの入居は一般の賃貸では歓迎されない。こうした交渉まで含めて、仮住まい物件専門の仲介会社を通す意味は大きい。

退去時は、敷金と家財保険の残金が返金され、ハウスクリーニング費用(退去立会後に見積もり、約7万円)を支払った。

住民票・郵便——住所変更の手続き

半年の仮住まいでも、住所まわりの手続きは避けて通れない。

住民票は、当初は移さない予定だった。工事などで一時的に転居してもとの住所に戻る場合、転居届は通常は不要とされているからだ。

だが実際には、クレジットカードの更新やキャッシュカードの再発行、住宅ローンの仮審査などで、送付先が住民票の住所に固定される場面があることが分かった。旧居は解体でなくなる。結局、住民票は仮住まい先に移した。

郵便と宅配便の扱いは、日本テンポラリーハウスが指南してくれた。

  • 郵便局:同じ市区町村内の転居なら、引っ越しから14日以内に転居届を出せば転送してくれる
  • 宅配便:転送されないため、届け先を仮住まい先に指定し直す必要がある。解体前の旧居に誤配されないよう、ポストに貼る連絡シールも日本テンポラリーハウスからもらった

仮住まい探しに苦労する話はよく聞くが、我が家は相談から入居決定まで3週間で決まった。

振り返ると、仮住まい物件専門の仲介会社に相談したことと、解体の3か月前(9月末)に動き出したタイミングが効いた。一般の賃貸で数か月の短期入居を受けてくれる物件を自力で探すより、短期契約前提の仲介会社に最初から相談するほうが早いと思う。


← 前の章:第25章 解体業者選定

次の章:第27章 引っ越し準備 →