4月30日、足場が解体された。
断熱材、防水シート、通気スペーサー、下葺材──見えない部分への投資を重ねてきた家が、ついに足場というベールを脱ぎ、完成した外観を見せる日を迎えた。
足場解体、そして初めて見る新居の姿
建て方工事から約2ヶ月。その間、家は常に足場とメッシュシートに覆われ、全体像を見ることはできなかった。「こんな感じかな」という想像はあったものの、実物の全貌を目にするのは今日が初めてだ。
現場に着いて、足場が解体されたあとの新居を見上げたとき、静かな感慨があった。
第23章で厳選したケイミュー社の「光セラ」シリーズの外壁材。それが家全体に敷き詰められると、想像以上に壮観だった。面で見せる外壁の圧倒的な存在感は、サンプル帳で眺めていたときの比ではない。

玄関ドアはYKKap社のウォールナット色を選定した。現時点では養生材で覆われているが、モノトーン系の外壁に対して、このショコラ色の建具が差し色として効いてくるはずだ。
外壁のデザイン選定:ベースとアクセント
当家の外壁は、2種類の「光セラ」を組み合わせている。
ベースに採用したのは「フィエルテ」。グレーのコンクリート調のデザインで、一般的にはアクセント材として使われることが多い製品だ。

通常、コンクリート調のサイディングは壁の一部にアクセントとして使い、他はもっと柔らかい風合いの素材と組み合わせるのが定石だ。しかし当家では、あえてフィエルテをベースとして全面に採用した。
そして、アクセントには「オーバルストーン」を使っている。石を積んだような質感の、こちらもシックな色合いの外壁材だ。
つまり、「アクセント材として使われがちな製品をベースに、さらにシックな石調をアクセントに重ねる」という、常識とは逆転した組み合わせ。建物全体に落ち着いた重厚感を持たせるデザイン判断だった。
日の射す角度によって、表面の凹凸が生む影の表情が変わる。時間帯ごとに違う顔を見せてくれるのが楽しみだ。
ケイミュー社のモノトーンサイディングに、YKKap社のショコラ色の建具を組み合わせる──この組み合わせは、ICとの打ち合わせで決めたものだが、実際に家の外観として立ち上がってみて、判断は正解だったと感じている。養生が解かれた玄関ドアと外壁の組み合わせを、内覧会で全容として見るのが楽しみだ。
雨樋と換気フードも完成
外壁が貼り終わり、雨樋と換気フードも取り付けられた。

こういう細部のパーツも、外壁と色調を合わせて選定されている。建物全体の統一感を損なわないよう、工事監督が細かく配慮してくれていることが伝わる仕上がりだった。
内装も並行して進む
外壁が完成する時期には、内装工事も並行して進んでいた。

壁の石膏ボードとフローリングが施工された内部は、いよいよ「家」の形が見えてきた。出窓のカウンター部分が職人さんの道具置きとして使われている光景は、施工中ならではの生々しい一コマだ。
この後、壁クロス貼りの工程に進んでいく。
「小さく見えた家」が「存在感のある家」に
第32章の地縄確認会で「こんなに小さくなってしまうのか」と感じたあの日から、約3ヶ月半。
当時、地面に張られた縄で囲まれた空間を見たときの「狭い」という印象を、今も覚えている。しかし、実際に3次元の建物として立ち上がり、外壁が貼られ、足場が解体された姿は、まったく違う印象を与えてくれた。
狭小住宅であることに変わりはない。それでも、ケイミューの光セラが全面に敷き詰められた外観は、存在感のある、落ち着いた佇まいの家になっていた。
5月18日の内覧会、5月24日の引き渡しと、プロジェクトもいよいよ大詰めを迎える。
次章では、5月18日の内覧会について書く。完成した家の内部を、施主として正式に確認する日である。