外構工事は、住友不動産経由で発注した。施工は同社の協力業者であるimayamaが担当。建物本体と一体で進めることを優先したため、別発注での比較は行わなかった。
外構工事を別業者に発注すれば、価格を抑えられる可能性はあった。ただし、建物本体の工事と外構工事が時期的に重なる場面では、業者間でスケジュール調整が必要になる。一体で進めれば、工程の干渉や責任範囲の曖昧さを回避できる。工事範囲が小さいこともあり、一括発注を選んだ。
工事の内容と規模
外構として依頼したのは以下の4項目。
- 玄関ポーチ
- 機能門柱(門扉、ポスト、インターホン、ネームプレート、補助手すり)
- 土間コン
- 玉砂利
最小限の構成だ。基本方針は「外構には費用をかけない」。土間コンと玉砂利は、家の前面と道路から見える範囲のみに敷き、家の後ろは更地のまま残した。

ただしこの「更地のまま」が、半年後に雑草の大群を呼び込むことになる。引き渡しから半年経った頃、後ろの更地スペースは膝丈ほどの雑草で覆われ、対応に苦労した。建てる前に「最小限で」と判断した部分が、住み始めてから「もう少しやっておけば」となる典型例だった。
こだわりは機能門柱、手すり、ネームプレート
費用を抑える方針の中でも、目に触れる頻度が高い部分にはこだわった。ただし、こだわった結果として選んだものは、すべて住友不動産の標準仕様の中の選択肢に収まっている。
機能門柱:YKKap B01型
当初の設計案では、機能門柱はリクシル製のものが提案されていた。しかし、玄関ドアにはYKKap製のものを採用していた。営業担当から「YKKapで統一した方が美しい」と提案があり、その通りだと思った。
選んだのはYKKapの機能門柱B01型。本体は、玄関ドアと同じショコラウォールナット色で揃えた。

ポスト:エクステリアポストT9R
ポストはエクステリアポストT9R(プラチナステン)を選んだ。
正面から見ると門柱の幅に収まるサイズだが、横から見ると意外と奥行きがあり、レターパックもすっぽり収まる大きさになっている。普段の郵便物だけでなく、レターパックを多用する世帯にとってこの収納力は地味に効いてくる。
これに、住友不動産標準仕様のインターホンが組み込まれる。パナソニックの外でもドアホン VL-V574L-Nだ。門柱、ポスト、インターホンが一体となった構成になる。
ネームプレート
ネームプレートは複数のデザインから選べたので、シックなものを選択した。機能門柱全体の落ち着いたトーンに合わせた。
補助手すり:YKKap ルシアス歩行補助手すり
玄関アプローチには、YKKapのルシアス歩行補助手すり(自立タイプ)を設置した。
笠木はショコラウォールナット、柱はプラチナステン。機能門柱と色調を統一して、玄関周りの一体感を意識した。
将来的に足腰への負担が増えることを見越した実用的な選択でもあるが、デザイン上のアクセントとしても効いている。
化粧ブロックと床タイル
機能門柱の下部に使う化粧ブロックは、エスビックのスマートCを採用。シンプルで主張の強くないデザインだ。
床タイルは、玄関ポーチで使った新井窯業の「フィウミⅡ」と同じものを使った。本体ポーチと外構のアプローチで素材を揃えることで、視覚的な連続性を確保した。
デザインのまとめ役は、初回提案の水彩画
外構工事の打ち合わせは、住友不動産の営業担当と3〜4回行った(チャットでのやり取りを含む)。打ち合わせのベースになったのは、最初の提案時に住友不動産の設計担当が作成した水彩画のイメージ図だ。
このイメージ図には、外壁、玄関、外構の初期パースが詳細に描かれていた。建物本体だけでなく、外構部分も含めて全体のバランスが既に提示されていたわけだ。
外構工事の仕様を一つずつ詰めていく中で、常にこの水彩画を参照点にした。「ここをこうすると、全体のバランスが崩れないか」「この色は水彩画のイメージと整合するか」を確認しながら決めていった。
機能門柱をYKKapに変更したのも、玄関ドアのウォールナット色との統一感を、水彩画レベルの全体イメージで考えた結果だった。
玄関ポーチが2段から3段になった経緯
第41章でも触れたが、玄関ポーチのタイルは当初2段の予定だった。しかし、施工段階で予期せぬ変更が発生した。
図面上の地面の高さでは2段で足りる計算だった。ところが、実際に工事に着手すると、現場の地面が図面より少し高いことが判明した。imayamaが住友不動産の工事監督に相談したところ、工事監督から提案があった。
「3段に変更したい。余分の資材は住友不動産が負担する」
応諾した。

実際に3段になった玄関ポーチを見ると、2段よりも3段の方がバランスが良い仕上がりだった。費用負担なく、しかも見栄えが良くなる方向に変更されたのだから、施主としては理想的な結果だ。
施工現場の判断で発生する誤差を、住友不動産が責任を持って引き取る形での修正。この対応は、ハウスメーカー一括発注の大きなメリットの一つだと感じた。
外構工事のスケジュール
外構工事の着工は、建物本体の完成前。完成は内覧会の後、引き渡しの前。
つまり、建物の躯体工事が進む傍らで土間コンや機能門柱の準備が始まり、内覧会の頃には玄関ポーチを含めた外構の主要部分がほぼ完成している、という流れだ。
引き渡し当日には、外構工事も完全に終わった状態で家を受け取れる。建物本体と外構の引き渡しタイミングが揃うのは、一括発注ならではの段取りだった。
費用:100万円強
外構工事の総費用は100万円強だった。
別発注による価格比較はしていない。一般論として、外構を独立業者に頼めばより安く上げることはできる。ただし建物本体の工事と外構工事が時期的に重なる場面では、業者間のスケジュール調整や責任範囲の整理が必要になる。外構の規模が小さいこと、建物本体と一体で進めたかったことから、価格差を追わない判断をした。
費用を抑える部分(土間コン+玉砂利)と、こだわる部分(機能門柱、手すり、ネームプレート)のメリハリをつけたことで、最小限の予算で必要な質感は確保できた、と感じている。
5月24日、引き渡しへ
外構工事は引き渡し前にすべて完了した。建物本体と外構が一体となった、当家の最終形が完成した瞬間だった。

最初の水彩画から積み重ねてきたデザイン判断の総決算が、この外構工事と外壁の組み合わせに集約されている。限られた敷地の中で、できる限り全体のバランスを意識した結果として、納得のいく外観に仕上がった。
次章では、5月24日の引き渡しについて書く。