第13章 5社を訪問してわかったこと

5社すべての初回訪問が終わった。見積はまだ出揃っていない段階だったが、この時点ですでにいくつかのことが見えてきていた。

各社でもらった性能に関する資料
5社でもらった住宅性能の資料

提案力に大きな差がある

最初に気づいたのは、初回訪問時の準備状況の差だ。

住友不動産東栄住宅は、初回から間取り図・完成イメージ・概算見積が用意されていた。一方、一建設タマホーム桧家住宅はヒアリングからスタートし、見積は後日送付という流れだった。

住友不動産の担当者自身が「初回からここまで用意するところはあまりない」と言っていたように、住友不動産の提案力は別格だった。訪問前に市役所へ出向いて当家土地の建築基準を調査し、登記簿まで入手して提案に臨んでいた。東栄住宅も初回から提案書を用意していたが、この事前調査の深さという点では差があった。

ただしこれは営業スタイルの違いであり、品質の差ではない。

耐震性能は各社ほぼ横並び

耐震等級3はすべての会社が取得できると説明した。数値上の差はない。

ただし工法に違いがある。一建設は在来工法(木造軸組工法)で、柱と梁で骨組みを作る一般的な工法だ。

ツーバイフォー工法(枠組壁工法)を主力としているのは住友不動産だけだった。床・壁・天井の「面」で建物を支える構造だ。他の4社は木造軸組工法をベースにしている。ただし東栄住宅は構造用面材と筋交いを併用し、桧家住宅は在来軸組に耐力面材を組み合わせた独自の「ハイブリッド工法」、タマホームも耐力面材を採用しており、いずれも「面」で支える考え方を取り入れていた。住友不動産の工法は地震力を面で分散しやすく、耐震性能が安定しやすいという説明だった。

震災実績について、住友不動産とタマホームは熊本地震での倒壊ゼロを示した(いずれも訪問時の営業担当の説明による)。桧家住宅は熊本地震で倒壊を経験し、その後耐震性能を見直したと説明があった。一建設と東栄住宅については不明だった。

各社の工法の違いが耐震性にどう関わるのか、壁の強さを表す壁倍率についてはこちらの記事に詳しく書いた。

断熱性能はUA値で差が出る

断熱等級5はすべての会社がクリアしている。ただしUA値(数値が低いほど性能が高い)で比べると差が見えてくる。

住友不動産0.46、タマホーム0.49、桧家住宅0.55、東栄住宅・一建設0.59という順だった。住友不動産が最も高性能で、東栄住宅と一建設が最も低い。なおこれらの数値はいずれもヒアリング時の営業担当の説明によるものだ。

保証期間にも差がある

長期保証の年数は会社によって異なる。最長で住友不動産・タマホーム・桧家住宅が60年、一建設が35年、東栄住宅が30年だった。

5社の比較——一覧にすると

ここまでの内容を、一覧にまとめる。

住友不動産一建設タマホーム東栄住宅桧家住宅
工法ツーバイフォー在来工法木造軸組(耐力面材)在来軸組(面材+筋交い)ハイブリッド(軸組+耐力面材)
耐震等級33333
震災実績熊本地震で倒壊ゼロ説明なし熊本地震で倒壊ゼロ説明なし熊本地震で倒壊あり・その後見直し
UA値0.460.590.490.590.55
長期保証(最長)60年35年60年30年60年
初回訪問の提案間取図・完成イメージ・概算見積を用意。市役所調査・登記簿まで取得ヒアリング中心、見積は後日ヒアリング中心、見積は後日間取図・完成イメージ・概算見積を用意ヒアリング中心、見積は後日

※UA値・震災実績・保証年数は、いずれも訪問時の営業担当の説明による。

数字にすると、耐震等級はすべて横並び、差が出るのはUA値・保証年数・提案の準備度だと分かる。

この時点での印象

5社を訪問した段階で、私の中では候補が絞られ始めていた。

一建設はコストが格段に安い。ただし工法・断熱性能・保証年数のいずれも、自分が求める性能水準には届かなかった。

価格を考えれば当然の判断であり、一建設の問題というより、私の優先順位との不一致だ。桧家住宅は断熱・空調に独自の強みを持つが、耐震の実績という点で留保が残った。

残ったのは住友不動産・タマホーム・東栄住宅の3社だった。次のステップは見積の比較だ。

複数社を並べて比べる進め方そのものは、別記事の注文住宅の会社選びは「複数社を並べて比べる」から始まるで整理している。

断熱と気密については、各社の仕様をさらに詳しく別の記事に並べている。

次章では、各社から出揃った見積を並べてわかったことを書く。


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