引き渡し日確定〜所有権移転登記等

プロジェクトの最終盤。5月24日の引き渡しに向けて、金銭と書類の手続きが一気に動き出す。

この章では、引き渡し日の確定から、所有権移転登記、火災保険加入、そして融資実行当日までを扱う。建築工事は現場に任せるとして、施主の仕事はもっぱら書類と手続きになる。

引き渡し日の確定

契約時(2024年8月)の当初予定では、引き渡し日は2025年5月1日だった。

しかし第29章で書いた建築許可申請の遅延により、スケジュールは後ろ倒しになった。10月中旬に遅延の一報を受け、12月20日にようやく建築審査会で承認。この1ヶ月分の遅れが、引き渡し日にも影響した。

最終的な引き渡し日は5月24日で確定した。当初予定から約3週間の後ろ倒しだ。

引き渡し日が確定すると、そこから逆算して一連のスケジュールが動き出す。

  • 融資実行日:5月24日午前(引き渡し直前)
  • 所有権保存登記・抵当権設定登記:5月23日
  • 仮住まいの退去日
  • 引っ越し業者の手配
  • 電気・ガス・水道の開通
  • 住民票の異動準備

一つの日付が決まることで、連鎖的にすべてが動き始める。

建物表題登記:新築建物を登記簿に載せる

新築建物の登記は、大きく3つに分かれる。

1. 建物表題登記:新築建物の登記簿を作る 2. 所有権保存登記:新築建物の所有権を設定する 3. 抵当権設定登記:住宅ローンの担保設定

第31章で自分で申請した滅失登記・地目変更登記と違い、これら3つはすべて司法書士に依頼した。住友不動産から紹介を受けたルートだ。

建物表題登記は、5月13日に完了した。費用は約9万円。

住友不動産から紹介のあった司法書士から電話で連絡があり、説明を受けた。見積提示から請求書まですべてメール。必要書類の案内はレターパックで届き、こちらで用意したものを返信のレターパックで送付。一度も顔を合わせることなく、手続きは完結した。

所有権保存登記と抵当権設定登記:銀行との打ち合わせに集約

所有権保存登記と抵当権設定登記は、住宅ローンの融資実行と一体で動く。どちらも5月23日に完了した。

  • 所有権保存登記:約10万円
  • 抵当権設定登記:約10万円

抵当権設定登記は、融資実行まで時間がなく、銀行窓口での打ち合わせの日に司法書士と待ち合わせる形で進めた。40代と思われる温和な司法書士で、こちらの事情を汲んで柔軟に対応してくれた。

手続きの具体的な流れはこうだった。

  • 5月16日:銀行(三井住友信託銀行)とのローン契約資料説明打ち合わせ。同日、司法書士から抵当権設定登記の資料を受領
  • 自宅に持ち帰り、必要書類を添付して捺印
  • 5月17日:銀行とのローン契約締結。同日、司法書士に抵当権設定登記資料を提出

司法書士も施主と同じタイミングで銀行と連携する必要があるため、銀行打ち合わせの場で書類の受渡しまで済ませてしまうのは、三者にとって合理的だった。この段取りを提案してくれたのは司法書士だった。

5月23日、所有権保存登記・抵当権設定登記がともに完了。銀行担当者に電話で確認し、「これで明日の午前中の融資実行が可能」との確認が取れた。

タイトな日程で手続きを回してくれた司法書士と銀行担当者に、心から感謝した。ここまで来れば、あとは翌日の融資実行を待つだけだ。

火災保険・地震保険:独自に選定

引き渡しと同時に、火災保険・地震保険の加入が必要になる。

住友不動産からも提携先の紹介があったが、提示された保険料が高額だったため、独自に選定することにした。旧家で加入していた全労災の「住まいる共済」と同等の内容で契約することに決めた。

  • 4月26日:住まいる共済(全労災)に申込書送付
  • 5月3日:契約締結

保険料は、新家の床面積が旧家より小さく、かつ耐震・防火設備が整っているため、従来の6割ほどに下がった。狭小住宅と現代の住宅性能が、保険料の面では有利に働く。

ちなみに住宅ローンの団信と火災保険は、役割が違う。

  • 団信:ローン支払いができなくなったとき(死亡・高度障害等)の保障
  • 火災保険:火災等の被害にあったとき、また延焼を引き起こしたときの保障

どちらもローンを組むうえで加入が必要だが、カバーする範囲はまったく別物だ。

5月24日、融資実行

5月24日午前。融資実行日。

銀行窓口に出向く必要はなく、すべてオンラインで完結する段取りだった。

朝10時ごろ、三井住友信託銀行の担当者から電話があった。

「融資実行が完了しました」

短い電話だった。銀行から住友不動産へは即座に連絡が入り、引き渡しに向けた準備が動き出す。

契約から9ヶ月、建築許可の遅延を乗り越え、銀行選定の迷いを経て、ここまでたどり着いた。書類と手続きに追われた最終盤の日々。その集大成としての融資実行の電話に、大きな達成感があった。

午後の引き渡しまで、あと数時間だった。