第15章 私が住友不動産を選んだ理由

タマホーム住友不動産。最終的な2択に絞られてから、私はしばらく考えた。

タマホームへの迷いと不安

タマホームの性能は、想像していたよりもずっと高かった。価格も住友不動産より数百万円安く、交渉次第ではさらに値引きの余地もありそうだった。条件だけ見れば、十分に選ぶ理由がある。

ただ、見積提出後の営業担当の動きが気になり始めた。キャンペーン期間を強調しながら、何度も値引きをアピールしてくる。

高品質な資材や設備をそこまで値引きして、仕入れ先への負担にならないのだろうか。「とにかく売りたい」という姿勢が前面に出てくると、その先の工事や対応への信頼感が揺らいでくる。価格の安さと引き換えに、何かが犠牲になっていないか——その不安が消えなかった。

住友不動産が見せた姿勢

住友不動産の対応は対照的だった。

初回に提示した値引き額以上の根拠のない値引きはしない、という姿勢を貫いた。他社との価格差がつくことは承知の上で、「それ以上に満足できる家を建てる」という自信が伝わってきた。売るために数字を動かすのではなく、品質で納得してもらうという考え方だ。

具体的な説明も印象に残っている。同じツーバイフォー工法でも、柱になる木材を他社より多く使う。基礎工事の期間も長く取る——建売住宅ではここまで時間をかけられないという話だった。玄関ドアや窓サッシも他社より高品質な設備を採用しており、マンション建設で培ったスケールメリットを活かして積極的に取り入れているという説明だった。

もう一つ、私の先入観を覆したことがあった。大手ハウスメーカーは受注したら工務店に丸投げして、手数料だけ上乗せされるイメージを持っていた。しかし住友不動産は自社製造にこだわり、専属の大工以外は使わないという。職人としてのこだわりを感じた。

価格差に見合うか

最終的な判断はシンプルだった。

住友不動産はタマホームより高い。しかし品質・総合力・会社としての姿勢を総合すると、その差額に見合うと判断した。狭小地で建てるこの家は、コンパクトな分だけ資材の量が少ない。高品質な資材を使う住友不動産は、そのスケールメリットが活きやすく、坪単価の高さがそのまま総額の大差につながりにくい条件でもあった。

この家に長く安心して住む——それが最初からの目標だった。その目標に最も誠実に向き合ってくれると感じたのが、住友不動産だった。

次章では、契約から設計打ち合わせへと進んでいく。

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