引き渡しから2年が経った。
第43章で書いたとおり、住友不動産の長期60年保証システムでは、引き渡し後の3ヶ月・1年・2年・10年に定期点検が予定されている。このうち3回——3ヶ月点検・1年点検・2年点検を実際に受けた。ここでは、点検で何が行われ、何が直されたかを書く。
点検の流れ——毎回約1時間
3回とも、流れは同じだった。所要時間は約1時間。
- はじめに家の周囲を外から確認
- 1階から2階へ、室内を順番に点検
- 最後に定期点検報告書に双方がサインし、施主控えを受け取る
来訪者は、3ヶ月点検は工事監督、1年点検と2年点検は点検カスタマー担当(同じ人)だった。工事を知る人から、維持管理の専門担当へ引き継がれていく形だ。


点検項目の全リスト
報告書の点検項目を書き出す。外まわりから設備まで、家全体を網羅している。
表の3ヶ月・1年・2年は各回の実施記録。✓=点検実施、―=その回は対象外、/=当家に該当しない項目(太陽光は非搭載)。
| 部位 | 点検内容 | 3ヶ月 | 1年 | 2年 |
|---|---|---|---|---|
| 建物外部 | ||||
| 基礎 | 表面の状態(モルタル仕上げ部0.5mm以上の亀裂・浮き・変色等) | ✓ | ✓ | ✓ |
| 土間・勝手口階段・ポーチテラス他 | コンクリートの著しい沈下・モルタル、タイルの0.5mm以上の亀裂 | ✓ | ― | ✓ |
| 勾配屋根 | 仕上げ材の状態(割れ・浮き・割れ等 目視にて確認) | ― | ― | ✓ |
| 外壁 | 仕上げ材の状態(0.5mm以上の亀裂・浮き・コーキング目地切れ等) | ✓ | ✓ | ✓ |
| 雨樋 | 破損・変形・漏水・はずれ(端部、集水器等)・詰まり | ✓ | ― | ✓ |
| バルコニー | FRP防水の浮き・割れ、手摺他の緩み、排水ドレーンの清掃状況・アドバイス | ✓ | ✓ | ✓ |
| 軒裏・庇 | 割れ・浮き・欠け・雨漏れ跡等 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 玄関ドア・勝手口ドア | 建付調整・施錠状況・ビスの緩み等 | ✓ | ✓ | ✓ |
| サッシ(網戸含む)・雨戸・シャッター | 建付・開閉状況・施錠状況 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 給排水設備 | 給排水管・枡の状態(水漏れ・詰まり・枡の破損等)、清掃方法のアドバイス | ✓ | ✓ | ✓ |
| 外構 | 門扉等調整、仕上げの状態他 | ✓ | ― | ✓ |
| 建物内部 | ||||
| 床下点検 | 漏水の確認等(点検口より目視にて確認) | ✓ | ― | ✓ |
| 壁・天井 | 仕上げ材の状態(割れ・シワ・隙間) | ― | ― | ✓ |
| 内部建具 | 建付・開閉状況・ストッパーの作動 | ✓ | ― | ✓ |
| 下駄箱・収納家具・カウンター他 | 開閉状況・取付状態 | ✓ | ― | ✓ |
| 小屋裏点検 | 雨漏れ・結露の痕跡等(点検口より目視にて確認) | ✓ | ✓ | ✓ |
| 構造躯体 | 壁・床・天井の状態(著しい傾斜・亀裂等 仕上げ材の上から目視にて確認) | ✓ | ✓ | ✓ |
| 設備関係 | ||||
| 台所設備 | 各設備の使用状況、動作不良、漏水の確認、清掃方法のアドバイス | ✓ | ✓ | ✓ |
| 洗面・便所設備 | 各設備の使用状況、動作不良、漏水の確認、清掃方法のアドバイス | ✓ | ✓ | ✓ |
| 浴室設備 | 各設備の使用状況、動作不良、漏水の確認、清掃方法のアドバイス | ✓ | ✓ | ✓ |
| 洗濯設備 | 排水金物の取付状況、清掃方法のアドバイス | ✓ | ✓ | ✓ |
| 各室換気扇・24h換気 | 動作不良、使用・清掃方法のアドバイス | ✓ | ✓ | ✓ |
| 電気設備 | お客様のご指摘及び問診 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 空調設備 | お客様のご指摘及び問診 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 給湯器 | お客様のご指摘及び問診 | ✓ | ✓ | ✓ |
| その他 | ||||
| 太陽光点検 | モジュールの汚れ・破損、架台の腐食・破損、接続箱・PCS外箱の腐食・破損、PCSの異常音・表示部・総発電量の確認 | / | / | / |
| 共通 | 「住まいのしおり」「保証書」の説明 | ✓ | ― | ✓ |
| 長期優良住宅 | 維持管理計画(メンテナンスプログラム)の確認・説明 | / | / | / |
3ヶ月点検——指摘なし
3ヶ月点検は、工事監督が来訪した。結果は指摘事項なし。入居直後の初期不良がないかの確認、という位置づけだった。
1年点検——施主から指摘する場でもある
1年点検からは、点検カスタマー担当に代わった。
この回は、こちらから2件伝えた。ひとつは小屋裏の小窓の網戸。接地面の粘着が弱くなり、剥がれやすくなっていた。後日、YKKapの業者が来訪し、無償で修繕してくれた。
もうひとつは書斎の入口ドア。開閉スピードをもう少し上げてほしいと要望したところ、点検当日にその場でネジ調節してくれた。
このほか、各所のネジの増し締めは、担当が自主的に実施してくれた。
点検は「見てもらう場」であると同時に、施主から気になる箇所を伝える場だ。日頃から「点検のときに言おう」というメモを残しておくと、この機会を活かせる。
2年点検——壁クロスの点検がメイン
2年点検の主役は、壁クロスだった。
クロスは湿気を吸うと伸び、乾燥すると縮む。湿気の多い夏は膨張し、乾燥する冬は収縮する——これを2年繰り返すと状態が定着してくる。だから2年点検で全体を確認し、補修が必要な箇所は無償で補修する、という段取りになっている。
我が家の結果は、クロスの張り足しのような大掛かりな補修が必要な箇所はなく、わずかに隙間の出た箇所に壁紙専用のコーキング材(隙間充填材)を塗ってもらうだけで済んだ。
断熱性が高いおかげで室内の温湿度が安定し、クロスの伸縮もほとんど起きていない——というのが2年住んだ実感だ。断熱にこだわった効果が、こんなところにも出ていた(断熱の仕様と2年の実感は断熱性能の記事に書いた)。
受けてみて分かったこと
定期点検は、受け身で「見てもらう」だけの場ではなかった。施主から指摘すれば無償で直る期間であり、家の状態を専門の目で定点観測してもらえる仕組みでもある。
次の定期点検は10年目。それまでの8年間は、この家との付き合い方を自分で覚えていく期間になる。
