第39章 断熱材と屋根工事

外壁サイディングと断熱材。
この工程は、私がこの建て替えプロジェクトで最もこだわりを持っていた部分だ。

第21〜23章で、各ハウスメーカーの断熱性能(UA値)や外壁材を比較検討した。
その選択の結果が、いよいよ現場で形になっていく。
見学のたびに気持ちが高ぶった。

この章のまとめ

  • 4月6日に、壁の断熱材の工事に立ち会った。柱の間に、高性能グラスウール(ガラス繊維の断熱材)が防湿袋に入った状態ですき間なく詰められていた
  • 天井が低くなる勾配天井の部分には、フェノールフォーム(薄くても同じ断熱性能が出る板状の断熱材)が使われた
  • 屋根の下には「通気くん」(ダンボールでできた部材)を挟み、熱と湿気の通り道を作っていた
  • 4月13日から屋根と外壁の工事が始まった。どれも完成後は見えなくなる部分で、仕様どおりに施工されているのを現場で確かめられた
壁に断熱材を敷き詰めている様子。2×4の柱の間に、防湿袋に入ったグラスウールが隙間なく充填されていく
壁に断熱材を敷き詰めている様子。2×4の柱の間に、防湿袋に入ったグラスウールが隙間なく充填されていく

4月6日、断熱材施工の立会い

4月6日、土曜日。
壁の断熱材施工の立会いに現場を訪れた。

住友不動産の標準仕様として採用されている高性能グラスウールが、2×4工法の柱の間にびっしりと敷き詰められていく。
防湿袋(黄色いMAGのロゴが入った袋)に入った状態で壁の中に収まり、気密層を作る。

使われているのは、マグ・イゾベール社の「イゾベールスタンダード」というグラスウール。
これを防湿袋で包んで、壁の中に施工していく。

イゾベールの中身。フワフワのグラスウール繊維が、防湿袋に収められている
イゾベールの中身。フワフワのグラスウール繊維が、防湿袋に収められている

袋から少しはみ出した断熱材の中身を見ると、ふわふわした白い繊維状の素材だ。
この空気を含んだ繊維が断熱材としての性能を発揮する。
袋の中で潰さず、ふっくらと施工するのが性能を引き出すコツだと聞いた。

勾配天井用の断熱材:ネオマフォーム

2階の一部は勾配天井になる設計のため、天井高が低くなる場所がある。
そこに使われるのは、ネオマフォーム社の「フェノールフォーム」。
ピンク色のロゴが目印の硬質断熱材だ。

勾配天井に使うフェノールフォーム「ネオマフォーム」。薄い板状だが、グラスウールと同等の断熱性能を確保できる
勾配天井に使うフェノールフォーム「ネオマフォーム」。薄い板状だが、グラスウールと同等の断熱性能を確保できる

フェノールフォームは、同じ断熱性能ならグラスウールより薄く施工できる。
天井高が制約される場所で真価を発揮する材料だ。

見た目はピンクの板状で、いかにも「硬質な断熱材」という風情。
柔らかいグラスウールとの対比が面白い。

「通気くん」という地味に賢い資材

断熱材の施工を見学していて、特に気になった資材がある。
ダンボールでできた「通気くん」だ。

マグ・イゾベール社の「通気くん」。屋根断熱通気層用のダンボール製スペーサー
マグ・イゾベール社の「通気くん」。屋根断熱通気層用のダンボール製スペーサー
屋根の下地と断熱材の間に、通気くんをスペーサーとして配置する。これで屋根の通気層が確保される
屋根の下地と断熱材の間に、通気くんをスペーサーとして配置する。これで屋根の通気層が確保される

屋根の下地と断熱材の間に、このダンボールをスペーサーとして挟むことで、屋根の通気層を確保する仕組みだ。
屋根から伝わってくる熱は、この通気くんの中を抜けて、屋根換気口から外へ排出される。

通気くんはダンボール素材のため透湿性があり、湿気も排出してくれる
通気くんはダンボール素材のため透湿性があり、湿気も排出してくれる

ダンボールという素朴な素材を使っているのも興味深い。
プラスチックのような非通気素材ではなく、あえてダンボールを選ぶことで、透湿性を確保している。
湿気も排出してくれるので、屋根の結露対策にもなる。

「見えないところにまで、考え抜かれた仕組みがある」という工業製品の美しさを感じた瞬間だった。

バルコニーの金属防水:スカイプロムナード・ハイグレード

狭小住宅に合わせた小さなバルコニーには、永住産業の金属防水「スカイプロムナード・ハイグレード」がすでに設置されていた。

バルコニーに設置されたスカイプロムナード・ハイグレード。青い養生シートでクリーニング工程まで保護されている
バルコニーに設置されたスカイプロムナード。青い養生シートでクリーニング工程まで保護されている

地味だが、30年品質を謳う高性能な防水材料だ。
バルコニーは雨水に直接さらされる場所なので、ここの防水性能が家全体の耐久性を左右する。
クリーニング工程まで養生されている点からも、扱いの慎重さが伝わる。

4月13日、屋根の本葺きと外壁サイディング開始

4月13日、土曜日。
屋根の本葺きと外壁サイディング施工が始まった。

屋根は、本葺きの前に下葺としてタジマ社の「ライナールーフ」が貼られる。

屋根の下葺として貼られたタジマ社「ライナールーフ」。この上に、本葺きとして屋根材が施工される
屋根の下葺として貼られたタジマ社「ライナールーフ」。この上に、本葺きとして屋根材が施工される

黒いシート状の材料が屋根全体を覆っている。
この上にさらに本葺きの屋根材が重ねられる。
「屋根の耐久性」は、見えない下地層の品質で決まる部分が大きい。

外壁には、透湿・防水・遮熱シート(セーレン社「ラミテクト・プレミアムサーモ」)が貼られる。

外壁に貼られた透湿・防水・遮熱シート「ラミテクト・プレミアムサーモ」。この上に、サイディングが施工される
外壁に貼られた透湿・防水・遮熱シート「ラミテクト・プレミアムサーモ」。この上に、サイディングが施工される

水色のシートが家を包むように貼られ、その上からサイディング材が施工されていく。
外からの雨は防ぎつつ、中の湿気は外へ逃がす。
透湿・防水・遮熱という3つの機能を兼ね備えたシートだ。

4月11日、室内ボード貼りも並行して進む

断熱材施工が終わった4月11日(木)から、室内ボード貼りも始まった。

吉野石膏社の「不燃タイガーボード」。石膏ボードの壁だが、455mm間隔で2×4の柱が入っているので強度は十分
吉野石膏社の「不燃タイガーボード」。石膏ボードの壁だが、455mm間隔で2×4の柱が入っているので強度は十分

使われているのは吉野石膏社の「不燃タイガーボード」。
石膏ボードの壁と聞くと強度が不安に思えるが、455mm間隔で2×4の柱が入っているので、内装としての強度は十分に確保されている。

この後、壁紙(クロス)貼りへと進む。

見えなくなる部分への投資

ここまで書いてきた工程は、完成後には見えなくなる部分ばかりだ。

断熱材、防水シート、通気スペーサー、下葺材、石膏ボード。
どれも引き渡し後は壁紙や屋根材の下に隠れてしまい、二度と直接目にすることはない。

しかし、この「見えない部分」の仕様こそが、30年、40年と住み続ける家の性能を決める。

住友不動産を選んだ決め手の一つが、このUA値0.46(2×4工法)という断熱性能だった。
(これは住友不動産の標準仕様の数値で、我が家の最終計測値は0.62だった。
詳細は第21章に書いた)他のハウスメーカーと比較して、同じ価格帯でも明確に断熱性能が高い。
そして現場で実際に見学してみて、その仕様が嘘偽りなく施工されていることを確認できた。

数字として聞いていた性能が、現場の実物として目の前で組み上がっていく。
この立会いに来た甲斐があった、と思った。

次章では、4月30日の足場解体と、ついに姿を現した新居の外観について書く。

5社がそれぞれどんな断熱材や窓を提案してきたかはこちらの記事に並べて書いた。


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