第8章 住友不動産で聞いた内容

最初に訪問したのは住友不動産だった。他社と比較する前の段階だったため、「上位メーカーから基準になる話を聞く」というつもりで臨んだ。

案内されたモデルハウスに入って最初に感じたのは、設備のグレードの高さだった。床材、建具、キッチン——高級マンションを思わせる仕様が並んでいる。「これが標準仕様です」という説明を受けたが、率直に言うと自分には必要のないレベルだと感じた。丈夫でシンプルな家を求めている自分には、やや方向が違う印象だった。

一通り見学したあと席に案内されると、いきなり提案書が出てきた。間取り図、完成予想図、概算見積、契約から引き渡しまでのスケジュール。サンプルではなく、実際の自分の土地を前提に、建蔽率も踏まえた図面が作成されていた。事前に条件を伝えてあったとはいえ、初回訪問でここまで形になっていることには驚いた。なお担当者は「初回からここまで用意するところはあまりないと思いますが」と自ら言っていた。

提案内容は要望をかなり押さえており、施工実績から蓄積されたノウハウが感じられた。見積については、Kさんから聞いていた価格帯よりやや低め。仕様を調整すれば検討できる範囲に収まりそうだと感じた。

耐震については、構造の考え方を図で説明してもらい、「耐震等級3は標準仕様で取得できる」との説明があった。耐震等級3は住宅性能表示制度の最高等級で、建築基準法レベルの約1.5倍の耐震性とされる。消防署や警察署と同等の基準だ。また採用しているツーバイフォー工法は、床・壁・天井の「面」で建物を支えるため地震の力を分散しやすく、耐震性が安定しやすい。東日本大震災や熊本地震でも倒壊しなかった事例があるという説明には、素直に安心感を持った。

一方で気になった点もあった。提案には窓やバルコニーがやや大きめに設定されており、そうした箇所に高級仕様の部材が使われていた。仕様を落とせばコストは下げられそうだが、逆に検討を進める中で費用が上がっていく可能性もある。この点はまだ見えきっていなかった。

この時点では他社との比較ができていないため判断はできない。ただ、仕様のグレードが高いこと、初回から具体的な提案が出てくること、価格も調整次第では検討可能な範囲にあること——この3点は明確に感じた。

住友不動産での打ち合わせが、この後の他社比較における基準になっていく。


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