次に訪問したのは一建設だった。住友不動産のあとだったこともあり、ローコストメーカーがどのように提案するのかを見るつもりで臨んだ。
一建設は飯田グループに属するローコストメーカーだ。同グループには東栄住宅も属しており、それぞれ異なる価格帯・特徴で展開している。
打ち合わせは住宅展示場内の事務所で行われた。モデルハウスを見ながら説明する形ではなく、最初から打ち合わせベースで進む。住友不動産は「初回からここまで用意するところはあまりない」と自ら言っていたほどで、一建設はヒアリングからスタートする、おそらく一般的な進め方だった。担当者は事前に住所を把握していたが、そこからどのような家を建てたいか、予算はどの程度か、建て替えの条件といった内容を一つずつ確認していく。見積については「実際に現地を見ないと正確なことは分からない」とのことで、図面・概算見積ともに一週間後に提示される流れになった。
説明を聞く中で印象に残ったのは、価格を前提にした設計思想だった。仕様をある程度標準化し、コストを抑える前提で組み立てる。「この価格帯でどう建てるか」という考え方が明確だった。
耐震については「耐震等級3は取得できる」との説明で他社と同じだ。構造は在来工法——柱と梁で組む一般的な工法で、コストを抑えやすいメリットがある。なお在来工法は設計や施工の質によって性能が左右されやすいという特徴もある。
営業の対応は簡潔で、必要なことを順に確認していく形だった。提案で引っ張るというより、条件を整理して後日提示する進め方だ。この段階では間取りも最終的な金額もまだ見えていない。
ただ、ローコストで住宅を供給する仕組みがあること、そのために進め方も効率化されていることははっきりと感じた。
住友不動産と比べると、初回提案の有無、進め方、価格に対する考え方——すべてにおいてアプローチがまったく異なる。同じ「ハウスメーカー」でも、会社によってこれほど違うのかということが、この訪問で具体的に見えてきた。
なお、住友不動産とは異なり、一建設では網戸が標準仕様に含まれずオプション扱いだった。何が標準に含まれているかは、価格を比較する上で見落としやすい部分だと後から気づくことになる。