住友不動産

工事・実務

第32章 地縄確認会・着工会

建て替えプロジェクトは、ついに「建てるフェーズ」に入る。1月下旬、連続する工程を1週間刻みで消化していくことになった。その最初が、地盤調査と地縄確認会、そして着工会だった。地盤調査基礎工事に入る前に、まず土地の性質を調べる必要がある。1月20日、住友不動産の工事監督と、委託先である株式会社アーバン企画の担当者が現地で地盤調査を実施した。調査方法は、スクリューウエイト貫入試験(JIS A 1221)。ロッド(鋼棒)を地中に回転させながら貫入させ、地盤の硬さを測定する方法だ。調査時間は半日程度、立ち会いはしていない。この地域の地盤については、契約前の初回訪問時に営業担当から説明を受けていた。「この地域は、河川に近い低地を盛土によって宅地化した造成地盤です。盛土の部分は地盤が軟弱になりやすく、地盤改良――数メートルの鋼管を埋め込んで硬い地盤に到達させ、地盤を安定化させる施工――が必要になる可能性が高いです」初回訪問の時点から地盤条件を把握し、概算見積にも地盤改良費用を含めて提案してくれる姿勢は、住友不動産を選んだ理由のひとつでもあった。調査結果の詳細と、それに基づく地盤改良の仕様については、...
工事・実務

第30章 解体〜地中埋設物

年が明けて、1月5日、解体工事が始まった。築60年の実家が、この日から5日間かけて消えていく。60年の歴史が消えることへの感慨は、不思議なほど湧かなかった。むしろ、長年使い倒してボロボロになってしまった住処を、ようやく取り壊してもらえるという清々しさのほうが強かった。私にとってこの日は、ひとつの終わりというより、新しい家への第一歩だった。足場設置から解体着工まで解体の準備作業は、年末のうちに済んでいた。12月28日に足場が設置され、電気設備の撤去も完了していた。そこから年を越して1月5日の解体着工まで約1週間の間隔がある。これは単純に、お互いに正月休みをはさんだためだ。ちなみに「年末までに足場を設置し、解体作業自体は年明けから」という段取りには、近隣への配慮の意味もあった。解体工事が年を跨ぐと、解体途中の半壊状態で正月を迎えることになり、見た目としても近隣に良い印象を持たれない。12月末で準備を終え、1月の仕事始めと同時に解体に入る、という段取りはこの配慮を踏まえたものだった。近隣への挨拶回りは、解体業者のMUSUBIが事前に行ってくれていた。解体工事は音も埃も出るので、近隣トラブルに...
工事・実務

第29章 建築許可申請の遅延

10月中旬、夜。携帯が鳴った。住友不動産の営業担当からだった。用件はひとつ。建築許可申請が難航している、というものだった。市の審査に出した書類に対して、何度も大幅な書き直しを求められている。設計の一部にも修正要求が出ている。営業担当の見立てでは、住友不動産の設計は建築基準に合致しており、市の要求は市独自の見解に基づくものとのことだった。11月に予定されていた建築審査会には、このままでは間に合わない。おそらく12月以降にずれ込む――そういう電話だった。受け止められなかった電話を切ってから、しばらく動けなかった。10月中旬という時期は、プロジェクト全体のなかで一番気分が高揚していた頃だった。ハウスメーカーを住友不動産に決め、仕様がほぼ固まり、仮住まい先の申込みも終え、解体業者も決まっていた。すべてが計画通りに進んでいる手応えがあった。そこに降ってきた、この報せ。引き渡しは5月1日の予定だ。そこに間に合うのか。間に合わないとしたら、どれくらいずれ込むのか。仮住まいの家賃は契約期間を延ばす必要があるのか。解体業者MUSUBIのスケジュールはどう組み直すのか。頭の中で、ぐるぐると不安が回った。正...
工事・実務

解体業者選定

解体工事は、自分で業者を手配することに決めていた。ハウスメーカーに一括で委託すれば品質面や進行管理面では安心だが、費用が相当割高になるという話をあちこちで聞いていた。中間マージンが乗るからだ。住友不動産からも解体を含めた見積もりは出ていたが、ここを切り離して自分で発注すれば、数十万円単位で費用を下げられる可能性がある。住友不動産には、自分で解体業者を手配する方針を事前に伝え、了承を得ていた。ハウスメーカー選定前、7月下旬の段階で、すでに解体業者への見積もり取得を始めていた。プロジェクト全体の費用感を掴むためだ。建て替えの総額は、本体工事費だけで決まるものではない。解体、外構、登記、仮住まい、引っ越し、家具家電。すべてを合計してはじめて本当の予算がわかる。解体業者選びの難しさとはいえ、解体業者選びは怖い世界でもある。調べれば調べるほど、トラブル事例が出てくる。業者選びを失敗すると、想定外の追加工事費、近隣からのクレーム、場合によっては訴訟にまで発展することもある。悪徳業者にあたって、本来不要な費用を請求されたという話も珍しくない。しかも、優良な解体業者を自分で見つけるのは、かなり大変だ。...
設計・契約

着工スケジュールを組む

仕様決定は順調に進んでいた。8月に契約を結び、9月に入ってからは間取りの詳細を詰め、ICとの打ち合わせも始まっていた。この調子なら11月中旬には仕様が確定するだろう、という見通しが立ってきた。仕様が固まれば、次は工程だ。9月中旬、営業担当との打ち合わせで、着工スケジュールの策定に入った。こちらの希望はひとつ、「契約から最短日程で」。とにかく早く新しい家での生活に移りたかった。築60年の実家で長年見てきた不具合を、一日でも早く過去のものにしたい。その一心だった。建築許可申請という前段当家の居住地域は少し複雑な事情があり、通常の建築確認申請の前に「建築許可申請」という手続きが必要だった。建築許可が下りてはじめて、建築確認申請に進める。解体工事も、許可が下りてからでないと着手できない。この事情は地域限定の話なので、これから建て替えを検討する多くの人には関係がない。ただ、自分の土地がどういう地域指定を受けているか、事前に確認しておいたほうがいい、という学びはあった。都市計画や景観条例の関係で、通常の手続き以外のステップが必要になる土地は、意外と多い。ありがたかったのは、住友不動産の営業担当がこ...
設計・契約

こだわりのポイント・外壁

外壁は、家の印象を決める。屋根と違って、道を歩く人の目に毎日さらされる部分だ。色が褪せれば古ぼけて見えるし、汚れが目立てば手入れをしていない家に見える。20年後、30年後にどう見えているかを考えると、ここは妥協したくない部分だった。住友不動産の注文住宅では、外壁の標準仕様がケイミュー社の「光セラ」シリーズになっている。最初にこの話を聞いたときは、正直そこまで関心はなかった。サイディングなんてどこのメーカーでも似たようなものだろう、くらいの感覚だった。それが変わったのは、住友不動産の「住まいるフェア」に見学に行ったときだ。会場のケイミューのブースに光セラの実物が展示されていて、担当の方が詳しく説明してくれた。話を聞けば聞くほど、これはただのサイディングではないことがわかってきた。帰宅してからYouTubeでケイミュー社の動画や、住宅関連業界で光セラを扱っている動画を見まくって勉強した。光セラとは何か光セラは、窯業系サイディング基材(セメント+パルプ等)に、光触媒コーティングとセラミックコーティングを二重に施した外壁材だ。光触媒というのは、紫外線を浴びると表面に強力な酸化力を生んで、付着し...
設計・契約

第22章 こだわりのポイント・空調と住宅設備

エアコンエアコンは自分で手配することもできる。営業担当者からそう聞いた上で、こう続けられた。「エアコンの性能は断熱性能と直結します。毎月の光熱費に影響しますので、住宅の性能に合ったものを選ぶことが重要です」。住友不動産がオプションとして提供するのは、富士通ゼネラル(現・ゼネラル)の「ノクリア」Zシリーズだ。個人が家電量販店で購入するものとは異なり、大手ハウスメーカー向けに供給される製品は国内製造で耐久性が高い。施工も富士通ゼネラルが自社で行うため仕上がりが丁寧で、室外配管には化粧カバーが標準装備される。カバーの色も外壁に合わせて選べる。電気屋による施工では2階の室外機をバルコニーに置いたり、配管処理が雑になることもあると聞いた。メーカー施工であれば、室外機や配管の位置を施主と細かく打ち合わせて決める。2階の室外機を正面から見えない場所に設置するといった配慮もしてくれる。断熱性能にとことんこだわりたい私は、迷わず住友不動産へのエアコン発注を決めた。当家の採用機種は以下のとおりだ。富士通ゼネラル「Zシリーズ」AS-Z28N-Wリビング:ノクリア Zシリーズ AS-Z28N-W(10畳用)各...
設計・契約

第21章 こだわりのポイント・断熱性能

住友不動産の初回訪問で、断熱性能について詳しい説明を受けた。5社を比較する中でもこの点は重点的に確認した。近代建築の断熱性能は、築60年の家とは比べ物にならない。断熱性能の基準断熱性能を示す指標はUA値(外皮平均熱貫流率)だ。数値が小さいほど断熱性能が高い。住友不動産のツーバイフォー工法のUA値は0.46で、国の省エネ基準(平成28年基準)の0.87を大きく上回る。ZEH基準の0.60も上回っている。断熱性能が高ければ、冷暖房コストも抑えられる。住友不動産によれば、国の省エネ基準と比較して年間の冷暖房費を約21%削減できるという。また断熱性能だけでなく、遮熱への対応も重要だ。地球温暖化による猛暑日の増加を踏まえ、住友不動産では透湿・防水・遮熱シートを標準採用している。熱カット率98.8%という高い遮熱性能を持つセーレン社の「ラミテクト プレミアムサーモ」で、夏の暑さを壁の外側で遮断する仕組みだ。開口部の断熱断熱性能を語る上で見落とせないのが開口部だ。窓と玄関ドアは外気が直接出入りする場所であり、断熱上の弱点になりやすい。窓サッシ:YKKap APW330樹脂フレームとLow-E複層ガラ...
設計・契約

第20章 ショールーム見学

IC担当から、時間があれば実物を見に行くことを勧められた。カタログや小さなサンプルではイメージが掴みにくいものがある。実際に足を運んでみると、その言葉の意味がよくわかった。見学したのは2か所。パナソニックの新橋ショールーム、YKKapの新宿ショールームだ(YKKapには3回通うことになった)。パナソニック新橋ショールームパナソニックのショールームには、ケイミューのサイディングコーナーがある。当家に導入予定のバス・トイレ・キッチンもパナソニック製なので、あわせて見学できた。照明もパナソニックだが、ショールームでの照明展示は現在行っていないとのことで、それだけが残念だった。ケイミューのコーナーには大きなサンプルが並んでいる。カタログで見るのとは迫力が違う。サイディングの大判サンプル①「フィエルテ」ベースの外壁として第一候補にしていた光セラ「フィエルテ」は、大きなサンプルで見るとやはり良かった。フィエルテにはコンクリート調の中でも淡い灰色と深い灰色がある。ケイミューのカタログでは淡い方はアクセントに使われている事例が多い。これをベースに使っている家はほとんど見かけない。その分、他にはない静け...
設計・契約

第19章 インテリアコーディネーターとの打ち合わせ

間取りが固まると、今度は家の「色」を決めるフェーズに入る。ここからインテリアコーディネーター(IC)担当が加わった。住友不動産の関連会社、住友不動産シスコンの方で、営業担当と3人で新大久保の営業所で打ち合わせを行う。IC担当は二十代後半くらいの、落ち着いた雰囲気の女性だった。こちらの希望や疑問にすぐ応えてくれる。経験豊富で、押しつけがない。迷ったときには「私はこちらをお勧めします」とはっきり言ってくれる。打ち合わせの内容を手書きで丁寧に記録して、終了後にコピーをもらえた。字がとてもきれいで、毎回それに見とれてしまった。IC打ち合わせは3回、加えて照明・電気関係の打ち合わせが1回。並行して自分でショールームを何度も訪問した。ショールームの話は別章でまとめて書く。外壁・屋根・玄関・サッシハウスメーカー選定の段階で、住友不動産が初回に示してくれた完成予想図がある。水彩画で描かれたもので、その仕上がりイメージがとてもよかった。これをベースに検討を進めることにした。外壁と屋根はケイミューの高品質サイディングから標準仕様で選ぶことができる。30センチ四方の実物サンプルを手に取りながら候補を絞ってい...