解体工事

工事・実務

第30章 解体〜地中埋設物

年が明けて、1月5日、解体工事が始まった。築60年の実家が、この日から5日間かけて消えていく。60年の歴史が消えることへの感慨は、不思議なほど湧かなかった。むしろ、長年使い倒してボロボロになってしまった住処を、ようやく取り壊してもらえるという清々しさのほうが強かった。私にとってこの日は、ひとつの終わりというより、新しい家への第一歩だった。足場設置から解体着工まで解体の準備作業は、年末のうちに済んでいた。12月28日に足場が設置され、電気設備の撤去も完了していた。そこから年を越して1月5日の解体着工まで約1週間の間隔がある。これは単純に、お互いに正月休みをはさんだためだ。ちなみに「年末までに足場を設置し、解体作業自体は年明けから」という段取りには、近隣への配慮の意味もあった。解体工事が年を跨ぐと、解体途中の半壊状態で正月を迎えることになり、見た目としても近隣に良い印象を持たれない。12月末で準備を終え、1月の仕事始めと同時に解体に入る、という段取りはこの配慮を踏まえたものだった。近隣への挨拶回りは、解体業者のMUSUBIが事前に行ってくれていた。解体工事は音も埃も出るので、近隣トラブルに...
工事・実務

解体業者選定

解体工事は、自分で業者を手配することに決めていた。ハウスメーカーに一括で委託すれば品質面や進行管理面では安心だが、費用が相当割高になるという話をあちこちで聞いていた。中間マージンが乗るからだ。住友不動産からも解体を含めた見積もりは出ていたが、ここを切り離して自分で発注すれば、数十万円単位で費用を下げられる可能性がある。住友不動産には、自分で解体業者を手配する方針を事前に伝え、了承を得ていた。ハウスメーカー選定前、7月下旬の段階で、すでに解体業者への見積もり取得を始めていた。プロジェクト全体の費用感を掴むためだ。建て替えの総額は、本体工事費だけで決まるものではない。解体、外構、登記、仮住まい、引っ越し、家具家電。すべてを合計してはじめて本当の予算がわかる。解体業者選びの難しさとはいえ、解体業者選びは怖い世界でもある。調べれば調べるほど、トラブル事例が出てくる。業者選びを失敗すると、想定外の追加工事費、近隣からのクレーム、場合によっては訴訟にまで発展することもある。悪徳業者にあたって、本来不要な費用を請求されたという話も珍しくない。しかも、優良な解体業者を自分で見つけるのは、かなり大変だ。...