建築許可申請

工事・実務

第29章 建築許可申請の遅延

10月中旬、夜。携帯が鳴った。住友不動産の営業担当からだった。用件はひとつ。建築許可申請が難航している、というものだった。市の審査に出した書類に対して、何度も大幅な書き直しを求められている。設計の一部にも修正要求が出ている。営業担当の見立てでは、住友不動産の設計は建築基準に合致しており、市の要求は市独自の見解に基づくものとのことだった。11月に予定されていた建築審査会には、このままでは間に合わない。おそらく12月以降にずれ込む――そういう電話だった。受け止められなかった電話を切ってから、しばらく動けなかった。10月中旬という時期は、プロジェクト全体のなかで一番気分が高揚していた頃だった。ハウスメーカーを住友不動産に決め、仕様がほぼ固まり、仮住まい先の申込みも終え、解体業者も決まっていた。すべてが計画通りに進んでいる手応えがあった。そこに降ってきた、この報せ。引き渡しは5月1日の予定だ。そこに間に合うのか。間に合わないとしたら、どれくらいずれ込むのか。仮住まいの家賃は契約期間を延ばす必要があるのか。解体業者MUSUBIのスケジュールはどう組み直すのか。頭の中で、ぐるぐると不安が回った。正...
設計・契約

着工スケジュールを組む

仕様決定は順調に進んでいた。8月に契約を結び、9月に入ってからは間取りの詳細を詰め、ICとの打ち合わせも始まっていた。この調子なら11月中旬には仕様が確定するだろう、という見通しが立ってきた。仕様が固まれば、次は工程だ。9月中旬、営業担当との打ち合わせで、着工スケジュールの策定に入った。こちらの希望はひとつ、「契約から最短日程で」。とにかく早く新しい家での生活に移りたかった。築60年の実家で長年見てきた不具合を、一日でも早く過去のものにしたい。その一心だった。建築許可申請という前段当家の居住地域は少し複雑な事情があり、通常の建築確認申請の前に「建築許可申請」という手続きが必要だった。建築許可が下りてはじめて、建築確認申請に進める。解体工事も、許可が下りてからでないと着手できない。この事情は地域限定の話なので、これから建て替えを検討する多くの人には関係がない。ただ、自分の土地がどういう地域指定を受けているか、事前に確認しておいたほうがいい、という学びはあった。都市計画や景観条例の関係で、通常の手続き以外のステップが必要になる土地は、意外と多い。ありがたかったのは、住友不動産の営業担当がこ...