5社すべての初回訪問が終わった。見積はまだ出揃っていない段階だったが、この時点ですでにいくつかのことが見えてきていた。
提案力に大きな差がある
最初に気づいたのは、初回訪問時の準備状況の差だ。
住友不動産と東栄住宅は、初回から間取り図・完成イメージ・概算見積が用意されていた。一方、一建設・タマホーム・桧家住宅はヒアリングからスタートし、見積は後日送付という流れだった。
住友不動産の担当者自身が「初回からここまで用意するところはあまりない」と言っていたように、住友不動産の提案力は別格だった。訪問前に市役所へ出向いて当家土地の建築基準を調査し、登記簿まで入手して提案に臨んでいた。東栄住宅も初回から提案書を用意していたが、この事前調査の深さという点では差があった。
ただしこれは営業スタイルの違いであり、品質の差ではない。
耐震性能は各社ほぼ横並び
耐震等級3はすべての会社が取得できると説明した。数値上の差はない。
ただし工法に違いがある。一建設は在来工法(木造軸組工法)で、柱と梁で骨組みを作る一般的な工法だ。それ以外の4社はツーバイフォー工法で、床・壁・天井の「面」で建物を支えるモノコック構造。地震力を面で分散しやすく、耐震性能が安定しやすい。
震災実績では、住友不動産とタマホームが熊本地震での倒壊ゼロを示している。桧家住宅は熊本地震で倒壊を経験し、その後耐震性能を見直したと説明があった。一建設と東栄住宅については不明だった。
断熱性能はUA値で差が出る
断熱等級5はすべての会社がクリアしている。ただしUA値(数値が低いほど性能が高い)で比べると差が見えてくる。
住友不動産0.46、タマホーム0.49、桧家住宅0.55、東栄住宅・一建設0.59という順だった。住友不動産が最も高性能で、東栄住宅と一建設が最も低い。なおこれらの数値はいずれもヒアリング時の営業担当の説明によるものだ。
保証期間にも差がある
長期保証の年数は会社によって異なる。最長で住友不動産・タマホーム・桧家住宅が60年、一建設が35年、東栄住宅が30年だった。
この時点での印象
5社を訪問した段階で、私の中では候補が絞られ始めていた。
一建設はコストが格段に安い。ただし工法・断熱性能・保証年数のいずれも、自分が求める性能水準には届かなかった。価格を考えれば当然の判断であり、一建設の問題というより、私の優先順位との不一致だ。桧家住宅は断熱・空調に独自の強みを持つが、耐震の実績という点で留保が残った。
残ったのは住友不動産・タマホーム・東栄住宅の3社だった。次のステップは見積の比較だ。
次章では、各社から出揃った見積を並べてわかったことを書く。