建て替え

建て替え判断

第7章 ハウスメーカーの候補をどう決めたか

ハウスメーカーに絞ることを決めたあと、次の問題はどの会社に話を聞くかだった。やみくもに住宅展示場を回るのは効率が悪い。LIFULL HOME'SのKさんに希望条件をそのまま伝えて、候補をリストアップしてもらうことにした。伝えた希望条件シンプルな家にしたい。設備も間取りも必要最小限でいい。可能な限りコストを抑えたい。そして災害に強い家にしたい。養う家族はいない。今後住む年数にも、使える資産にも限りがある。豪華さよりも、丈夫でシンプルな家を優先した。今回は建て替えなので注文住宅が前提になる。土地条件も踏まえて、注文住宅を主力とし、狭小地や法規制に対応できる会社という条件で候補を出してもらった。提案された6社Kさんから提示されたのは次の6社だった。・一建設(飯田グループ)/ローコスト帯・タマホーム/中堅帯、長期優良住宅に対応・東栄住宅(飯田グループ)/中堅帯、設計自由度が比較的高い・桧家住宅/断熱性能・空調に強み・住友不動産/中〜上位価格帯、資材性能に強み・アキュラホーム/耐震性と自由設計に強みなぜ住友不動産を加えたのか最初、私は一建設・タマホーム・東栄住宅・桧家住宅の4社で比較しようと考え...
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第6章 工務店かハウスメーカーか

建て替えを前提に進めることに決めたあと、次に考えたのはどの住宅会社に依頼するかだった。LIFULL HOME'SのKさんと一緒に、工務店とハウスメーカーの違いを整理した。工務店とハウスメーカーの違い工務店は地域に根ざした建築会社だ。設計の自由度が高く、細かな要望に対応しやすい。コストを抑えられる場合もある。ただし品質や施工体制は会社によってばらつきがあり、保証・アフター体制も異なる。ハウスメーカーは全国規模で住宅を供給する企業だ。工法や部材が規格化されており、品質が安定している。保証やアフターサービスも整っている。その分、価格は高くなりやすく、仕様に制約がある。建て替え特有の条件建て替えでは解体費・仮住まい・地盤改良といった追加費用が発生する。私の土地のように敷地が狭く建蔽率・容積率の制約が厳しいケースでは、工務店の柔軟さが有利に働く場面もある。私がハウスメーカーを選んだ理由それでも私はハウスメーカーを選んだ。決め手は一つだ。東日本大震災や熊本地震で、実際に倒壊しなかった実績がある。カタログに載っている耐震等級の数値より、この事実の方が判断材料として明確だった。私が最も重視していたのは...
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第5章 家づくりの具体的な条件

建て替えを決めた。次に必要なのは、現実的な条件を整理することだった。LIFULL HOME'SのKさんと一緒に、土地・規模・費用・ローンを一つずつ確認していった。土地の条件と家の規模最初に確認したのは、土地の建築条件だ。住宅はどんな家でも建てられるわけではなく、地区ごとに建蔽率と容積率が定められている。建蔽率とは敷地に対して建物を建てられる割合、容積率は建物全体の延べ床面積の上限だ。私の実家の土地を調べてもらうと、建蔽率30%・容積率60%という結果だった。正直、かなり小さいと感じた。今の家は土地に対してかなりの面積を占めているが、60年前は建築基準が今と異なっていたのかもしれない。つまり建て替えると、今より大幅に小さい家になる。ただ、考え直してみると私には許容できる条件だった。家族が増える予定はなく、広い家は必要ない。むしろ将来の掃除・維持費・管理の手間を考えると、コンパクトで使いやすい家の方が合っている。家づくりで重視したこと条件として特に重視したのは二点。災害に強いこと、そして長く安心して住めること。日本で暮らす以上、耐震性能は外せない条件だった。設備については豪華な仕様は求めな...
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第4章 私が建て替えを選んだ理由

3章のKさんの説明を聞き終えたとき、私の中では結論が出ていた。建て替えるしかない。理由はシンプルだった。私が一番恐れていたのは、いつかこの家に住めなくなることだ。大きな地震で家が倒壊する——そのイメージが、ずっと頭の片隅にあった。リフォームやリノベーションでも、設備を更新し内装を整えれば住みやすくなる。費用だけを見れば、建て替えより大幅に抑えられる。しかし構造躯体は変わらない。基礎、柱、梁——家の骨組みそのものは、リフォームでは作り直せない。「長く安心して住める家にしたい」それが私のプロジェクトの本質だと、この相談で初めてはっきり言語化できた。その目的を達成する方法は、建て替え一択だった。建て替えとなると大規模なプロジェクトになる。費用も格段に増す。しかし安心して住める家にするためには、必須な工事だ。親から受け継いだこの家を、自分の手で新しく丈夫な家に生まれ変わらせる。Kさんとの相談の最中、55歳でこの大きなプロジェクトを始動する決意を持った。次に考えるべきことは、どの会社に建ててもらうか、費用はどれくらいになるか——家づくりの具体的な条件だった。← 前の章:第3章 地震に耐えられる家...
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第3章 地震に耐えられる家にするための条件

LIFULL HOME'Sのオンライン相談で、私は担当のKさんにこう伝えた。「費用をできるだけ抑えながら、耐震対策をしたい」と。Kさんが最初に聞いたのは、「建てられたのはいつ頃ですか?」という一言だった。築60年。1960年代の木造住宅です、と答えると、Kさんは日本の耐震基準の話を始めた。1981年、日本の耐震基準は大きく改正されている。それ以前の住宅は「旧耐震」と呼ばれ、「震度5程度で倒壊しない」という前提で設計されている。現在の基準(新耐震)は「震度6〜7でも倒壊しない」。私の実家は、今の基準では安全とは言えない建物だった。「重要なのは設備ではなく、構造です」Kさんはそう言った。古い家と聞くとキッチンや浴室、外壁の傷みを思い浮かべる。私もそうだった。しかしKさんの説明はそこではなかった。住宅は設備・内装・構造で成り立っている。設備や内装はリフォームで交換できる。だが構造躯体——基礎、柱、梁という家の骨組みは、簡単には変えられない。リフォームでできることには限界がある。設備は新しくなる。内装もきれいになる。ある程度の安全性も向上する。しかし家の骨組みそのものを、現在の耐震基準に作り直...
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第2章 どこに相談するべきか考えた

最初は、工務店に相談してみよう、と思った。でも、少し考えて思いとどまった。リフォームがいいのか、建て替えなければならないのか——その判断がまだついていない段階で工務店の門を叩けば、相手の得意な方向に話が進むだけだ。中立な意見は期待できない。では一括資料請求はどうか。複数のハウスメーカーをまとめて比較できる便利なサービスだが、調べると「多数の会社から一斉に営業連絡が来る」という経験談が目についた。自分の考えが整理できていない段階で営業対応に追われるのは、明らかに順番が違う。そこで行き着いたのが、住宅相談サービスという選択肢だった。代表的なのはLIFULL HOME'SとSUUMOの2つ。どちらも住宅会社の営業ではなく、第三者として相談を受ける窓口で、利用者は無料で使える。この2つを調べて、私はLIFULL HOME'Sを選んだ。この時点の私はまだ建て替えを決めていなかった。SUUMOは新築ハウスメーカー比較に強い。だが私が必要としていたのは、リフォームも含めた選択肢を整理できる場所だった。その点、LIFULL HOME'Sの「住まいの窓口」は、新築・リフォーム・リノベーションまで幅広い選...
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第1章 築60年の家で起きていたこと

床が鳴るたびに、少しだけ気になっていた。築60年。母と同居してきた木造の実家は、長い間、大きな手を入れていなかった。水回りの交換も、外壁の塗装も、「そのうち」と言い続けて、気づけばここまで来てしまった。床のきしみ、窓のすきま風、建具のゆがみ、水回りの小さな水漏れ。どれも今すぐ困るわけではない。でも「このままでいい」とも思えなかった。決定的だったのは、地震の話を聞いたときだ。この土地の地盤はもろい、と以前から聞いていた。ニュースで大きな震災の映像が流れるたびに、同じ問いが頭に浮かぶ。この家は、あと何年住めるのだろうか。修理をせずにここまで来た後ろめたさも、その不安を大きくしていた。今すぐどうにかなるわけじゃない。でも、「いつか」は確実にやってくる。そう気づいたとき、私は初めてきちんと考えることにした。リフォームなのか、リノベーションなのか、それとも建て替えなのか。そして、誰に相談すればいいのか。55歳からの家との向き合い方が、ここから始まった。次の章:第2章 どこに相談するべきか考えた →