2026-03

建て替え判断

第2章 どこに相談するべきか考えた

最初は、工務店に相談してみよう、と思った。でも、少し考えて思いとどまった。リフォームがいいのか、建て替えなければならないのか——その判断がまだついていない段階で工務店の門を叩けば、相手の得意な方向に話が進むだけだ。中立な意見は期待できない。では一括資料請求はどうか。複数のハウスメーカーをまとめて比較できる便利なサービスだが、調べると「多数の会社から一斉に営業連絡が来る」という経験談が目についた。自分の考えが整理できていない段階で営業対応に追われるのは、明らかに順番が違う。そこで行き着いたのが、住宅相談サービスという選択肢だった。代表的なのはLIFULL HOME'SとSUUMOの2つ。どちらも住宅会社の営業ではなく、第三者として相談を受ける窓口で、利用者は無料で使える。この2つを調べて、私はLIFULL HOME'Sを選んだ。この時点の私はまだ建て替えを決めていなかった。SUUMOは新築ハウスメーカー比較に強い。だが私が必要としていたのは、リフォームも含めた選択肢を整理できる場所だった。その点、LIFULL HOME'Sの「住まいの窓口」は、新築・リフォーム・リノベーションまで幅広い選...
建て替え判断

第1章 築60年の家で起きていたこと

床が鳴るたびに、少しだけ気になっていた。築60年。母と同居してきた木造の実家は、長い間、大きな手を入れていなかった。水回りの交換も、外壁の塗装も、「そのうち」と言い続けて、気づけばここまで来てしまった。床のきしみ、窓のすきま風、建具のゆがみ、水回りの小さな水漏れ。どれも今すぐ困るわけではない。でも「このままでいい」とも思えなかった。決定的だったのは、地震の話を聞いたときだ。この土地の地盤はもろい、と以前から聞いていた。ニュースで大きな震災の映像が流れるたびに、同じ問いが頭に浮かぶ。この家は、あと何年住めるのだろうか。修理をせずにここまで来た後ろめたさも、その不安を大きくしていた。今すぐどうにかなるわけじゃない。でも、「いつか」は確実にやってくる。そう気づいたとき、私は初めてきちんと考えることにした。リフォームなのか、リノベーションなのか、それとも建て替えなのか。そして、誰に相談すればいいのか。55歳からの家との向き合い方が、ここから始まった。次の章:第2章 どこに相談するべきか考えた →