初回訪問からおよそ10日ほどで、5社から見積が出揃った。数字を並べて最初に感じたのは、「坪単価だけでは判断できない」ということだった。
坪単価の順番は予想通りだったが
坪単価を安い順に並べると、一建設・タマホーム・東栄住宅・住友不動産・桧家住宅という順になった。ローコストメーカーが安く、上位メーカーが高い——大まかな傾向は訪問前の想定通りだった。
一建設については、この時点で候補から外れていた。コストは最も安いが、工法・断熱性能・保証年数のいずれも自分が求める水準には届かなかった。価格相応の判断であり、一建設の問題というより優先順位との不一致だ。
ただし見積書の合計額を比べると、順番が変わる。標準仕様に何が含まれているかによって、実質的な価格差が変わってくるからだ。
例えばエアコンについては、タマホームと東栄住宅は複数台が標準で含まれているのに対し、住友不動産は1階に1台のみで2階はプラグのみの設置だった。外構工事や照明の扱いも各社で異なる。単純に見積の総額だけを比べても、含まれる内容が揃っていなければ正確な比較にならない。
桧家住宅はこの時点で除外
見積が出揃った段階で、桧家住宅は候補から外れた。理由は3つ重なった。見積の提出が他社より大幅に遅かったこと、金額が中堅メーカーとしては高かったこと、そして提案書の中身が他社と比べて薄かったこと。断熱・空調の強みは本物だと感じていたが、この3点が重なった時点で判断した。
残った2社——住友不動産 vs タマホーム
東栄住宅の見積は、住友不動産の96%程度の水準で出てきた。価格差はほとんどない。しかし断熱性能のUA値は住友不動産より劣っており、耐震性についても住友不動産ほど具体的な裏付けを示してもらえなかった。これだけ価格が近いなら、性能で上回る住友不動産を選ぶ方が合理的だという判断になった。
残ったのは住友不動産とタマホームの2社だった。
タマホームの見積は、仕様を整えて比較しても住友不動産より数百万円安い水準だった。交渉次第ではさらに値引きの余地もありそうな感触があった。一方の住友不動産は、値引き後の金額でも予算をやや上回る水準だったが、仕様を調整することで価格差は残るものの、もう少し下げられる可能性があった。
価格だけで見ればタマホームが有利だ。ただ私の判断軸は価格だけではなかった。
次章では、最終的に住友不動産を選んだ理由を書く。