第2章で、
リフォーム・リノベーション・建て替えという選択肢を一度整理しました。
そこで初めて、次に向き合うべきテーマがはっきりします。
それは、
「そもそも、今の家と同じ条件で建て替えられるのか?」
という点でした。
正直に言えば、この時点まで、
「建て替えれば、同じような家を新しく建て直せる」
と、どこかで思い込んでいました。
建て替えを考えて、最初に驚いたこと
専門家との相談の中で、
最初に言われたのが、こんな言葉でした。
「建て替える場合、今の家と同じ大きさの家は、建てられないかもしれません」
一瞬、意味が分かりませんでした。
建て替えなのだから、
今ある家を壊して、同じ場所に建てるだけではないのか。
しかし、話を聞いていくうちに、
その考えが、完全に思い込みだったことに気づきます。
建蔽率・容積率というルール
建て替えには、
建蔽率(けんぺいりつ)と
容積率(ようせきりつ)
というルールが関係してきます。
建蔽率とは、
敷地面積に対して、
どれくらいの広さまで建物を建ててよいか、という上限です。
容積率は、
敷地面積に対して、
建物全体の延べ床面積を、
どこまで確保できるか、という制限になります。
恥ずかしながら、
私はこの時まで、
言葉としては聞いたことがあっても、
自分の家にどう影響するのかを、
きちんと考えたことがありませんでした。
「昔は建てられた家」でも、今は違う
私の実家が建てられたのは、約60年前です。
当時と比べて、
今は建築基準が大きく変わっています。
地震や火災の教訓を踏まえ、
・建物同士の間隔を確保する
・日当たりや風通しを守る
・災害時の延焼を防ぐ
こうした目的で、
建蔽率や容積率は、
以前よりも厳しく定められています。
その結果、
「昔は問題なく建っていた家」でも、
今の基準では、同じ条件で建て直せない
というケースが出てくるのです。
建て替えは「お金」だけの問題ではなかった
この話を聞いたとき、
私は初めて、
建て替えという選択肢が、
単に費用や工事の問題だけではないことを実感しました。
土地の条件によって、
・どんな大きさの家が建てられるのか
・どこまでが可能で、どこからが難しいのか
それを、
事実として知ったうえで判断する必要がある。
もはや、
ネットで調べたり、
想像だけで結論を出せる話ではありませんでした。
現実を知ったことで、考え方が変わった
この段階で私は、
リフォーム・リノベーション・建て替えを、
イメージや好みではなく、
「実際に何ができて、何ができないのか」
という条件で考えるようになります。
感覚で悩んでいた段階から、
ようやく、
現実に向き合って検討する段階に入った。
そんな感覚でした。
次に進むために
土地の条件と築年数を前提にすると、
三つの選択肢は、
それぞれ見え方が大きく変わってきます。
次章では、
この現実を踏まえたうえで、リフォーム・リノベーション・建て替えを、同じ条件で並べて比べてみた結果について書いていきます。