第4章で、
リフォーム・リノベーション・建て替えを
同じ目線で並べて比べてみました。
頭の中では、
それぞれのメリット・デメリットが
ある程度整理できたと思います。
それでも、
考えれば考えるほど、
どうしても消えずに残り続けたものがありました。
それが、
「不安」でした。
費用の現実と、気持ちの揺れ
最初に気になるのは、やはり費用です。
正直に言えば、
費用のことだけを考えるなら、
建て替えは最も厳しい選択肢でした。
50代後半からの住宅ローン。
今より小さくなる可能性のある家。
そう考えると、
「できることなら、今の家を活かしたい」
という気持ちが何度も顔を出します。
リフォームやリノベーションで済ませられるなら、
それが一番現実的なのではないか。
そう考える自分も、確かにいました。
理屈では整理できても、残る違和感
リフォームやリノベーションを選べば、
- 今の家に住み続けられる
- 費用を抑えられる
- 生活の大きな変化を避けられる
理屈の上では、とても合理的です。
それでも、
心のどこかで、
小さな違和感が残り続けていました。
「この先も、本当に大丈夫だろうか」
築60年という事実は、
どんな選択をしても変わりません。
耐震補強をしても、
補修を重ねても、
建物そのものが歩んできた年数までは
消すことができないからです。
「また判断することになる」という不安
もう一つ、大きかったのが、
判断を繰り返すことへの不安でした。
もし今回はリフォームを選んだとして、
数年後に別の不具合が見つかったらどうするのか。
そのたびに、
- どこまで直すか
- いくらかけるか
- 本当にこれでいいのか
また同じように悩むのではないか。
そう考えると、
リフォームやリノベーションは、
不安を解消する選択というより、
不安を先送りする選択にも見えてきました。
今すぐ困らない。
でも、完全に安心できるわけでもない。
その中間の状態で、
この先も住み続ける自分の姿が、
どうしてもはっきりとは想像できなかったのです。
自分にとって、一番重かったもの
比較を重ねるうちに、
少しずつ分かってきたことがあります。
それは、
私にとって一番重かったのは、
金額や広さではなく、
「この先、安心して暮らせるかどうか」
だったということです。
資料を集めても、
数字を並べても、
この不安だけは、簡単には消えてくれませんでした。
そして、この感覚こそが、
次の判断へ進むための、
一番大きな引っかかりだったのだと思います。
次章へ
次の章では、
この不安と向き合い続けた結果、
私が 「建て替えを本気で考え始めた理由」を
整理して書いていきます。
迷いの中から、
少しずつ行動に気持ちが傾いていった過程です。