第3章で、
建て替えには「土地の条件」という現実があることを知りました。
ここから私は、
リフォーム・リノベーション・建て替えを、
感覚や好みではなく、同じ土俵に並べて考える
必要があると感じるようになります。
そこで一度、
それぞれの選択肢を、
できること/できないことという視点で整理してみることにしました。
まず、リフォームという選択肢
リフォームは、
今の家を活かしながら、
傷んだ部分や気になるところを直していく方法です。
- 設備の交換
- 内装の修繕
- 部分的な断熱対策
などであれば、
比較的費用を抑えながら対応できます。
実際、
「今すぐ大きな不具合があるわけではない」
という状況では、
とても現実的な選択肢に見えました。
ただ一方で、
築60年という前提を考えると、
どうしても越えられない線もあります。
- 土台や柱といった構造部分には基本的に手を入れられない
- 耐震性を根本から高めることは難しい
- 住み心地の改善にも限界がある
今ある家を延命する選択、
という印象が強く残りました。
次に、リノベーションという選択肢
リノベーションは、
間取りや内装を大きく変えられる点で、
リフォームよりも自由度が高い方法です。
暮らし方に合わせて、
- 間取りを整理する
- 動線を改善する
- 設備を一新する
といったことが可能になります。
「見た目も中身も、ほぼ新築のようになる」
という説明を見かけることも多く、
正直、少し期待もしていました。
ただ、ここでもやはり前提は同じです。
- 構造躯体は既存のまま
- 築年数そのものは変えられない
- 工事範囲によっては費用が大きく膨らむ
どこまで手を入れれば安心できるのか、
その線引きが、とても難しく感じました。
そして、建て替えという選択肢
建て替えは、
既存の家を解体し、
土台から新しく作り直す方法です。
- 最新の耐震基準で建てられる
- 断熱性能を大きく高められる
- 設備や間取りをゼロから考えられる
安心感という点では、
他の選択肢とは明らかに違いがありました。
一方で、
負担も一番大きい選択肢です。
- 費用が高い
- 工期が長い
- 土地条件によっては家が小さくなる
「理想」だけを見れば魅力的ですが、
現実とどう折り合いをつけるかが、
最大の課題でした。
並べてみて、初めて見えたこと
こうして三つの選択肢を並べてみると、
どれか一つが
はっきりと「正解」に見えるわけではありません。
- 費用を抑えたいなら、リフォーム
- 暮らしやすさを重視するなら、リノベーション
- 安心感を最優先するなら、建て替え
優先順位によって、
評価は大きく変わります。
この時点では、
私の中でも、まだ結論は出ていませんでした。
ただ一つ、
はっきりしてきたことがあります。
それは、
「何を一番大切にしたいのか」を決めない限り、
この比較は終わらない
ということでした。
次章へ
次の章では、
この比較を続ける中で、
私の中にずっと残り続けた
「最後まで消えなかった不安」について書いていきます。